「世界ふしぎ発見!」が33年も続いている必然

レジェンド・オブ・クイズ番組は何が凄いのか

「レギュラー番組をどのように継続できるか」とよく聞かれるが、逆に私はこう質問する。3択である。番組を制作していて一番難しいことは何か? ①企画を通すこと、②番組を成功させること、③番組を続けること。すべて難しいことばかりだが、正解は③である。

ミステリーハンターの第一人者として人気を博す竹内海南江(写真:「GALAC」より転載)

なぜか? 番組を続けるにはかなりの経験と戦略がないとできない。提供主、放送局、人事、視聴率、視聴者、裏番組、出演者、スタッフ、そのすべてにいつも鋭敏に対応し続けなければならない。そのためには正論を意識高く持ち続けなければならない。自分の正論を理解してもらう力を持つこと。安易に正論を曲げると、結局一番大切な視聴者、出演者、スタッフを失うことになる。

さらに難しい課題は、「世界ふしぎ発見!」はいつも国際情勢に左右されるという緊張状態にあることである。それは想像を超えた事態の急変をもたらす。番組当初、世界の四大文明の紹介が主軸の番組だった。当時、その文明すべてを取材できたが、今はエジプトもイラクもパキスタンも中国も自由に撮影はできない。だが私たちは怯えない。許可を正論で要求し続ける。

私たちの夢だった宇宙ステーションの無重力に浮く宇宙飛行士からのクエスチョンを受けることに成功した。特別の許可を取りクフ王のピラミッドの頂上に登り、360度の4K撮影もした。すでに北朝鮮の企画も書いて平和なその日を待っている。

いつまで「世界ふしぎ発見!」を続ける?

いつまでこの番組を続けるのか? ATP賞特別賞の受賞式で私はこう答えた。「この番組が始まった1986年にハレー彗星がやってきた、次にハレー彗星が来るのは2061年。その年まで続けたい。だがそのときに元気でスタジオに坐っているのは黒柳徹子さんだけでしょう……」。満場の笑いを受けて私は段を降りた。

クイズ番組「世界ふしぎ発見!」の最高の目的は視聴率ではない。この番組で私たちの、そして提供企業、放送局の独創的なメッセージを社会に発信することであると思っている。それを多くの人々に見てもらいたい。それがテレビ制作者の使命であると思っている。

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