春名風花「今、学校に行きたくないあなたへ」 だから、僕は君に生きていてほしい

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『高校生新聞』の取材を受けたときに「有名な方がいじめについて話しているだけで、ひとりじゃないと思えてうれしかった」と言われました。すごくうれしかったけど、一方で「誰かの心を支えるなんて、僕にはできない」という気持ちがあるのも事実です。君が強かったんだよ、ただそれだけのことなんだって。だから、「大丈夫だよ」とか「将来は幸せになれるよ」なんて、軽々しく言えません。

言えることがあるとすれば、「あなたはたくさんの人の運命に関わっているから、いなくなってほしくないと僕は思っている」、そして「僕が元気なときに会いに来てくれたら、僕が喜ぶよ」ということぐらいです。

――「私はこう思う」というアイメッセージですね。

僕は、それが正解だと思っています。先日、「それでも世界が続くなら」というバンドのボーカル・篠塚将行さんとお話する機会がありました。「『あなたのために』は『あなたのせい』になる」という篠塚さんのお話は、まさにその通りだなって。「春名風花はこう思っています」と言い続けることで、ほんの少しだけ影響を与えられるかもしれない。それを信じるしかないんです。

もちろん、僕がすべて正しいわけじゃありません。僕の考えをそのまま受けいれてしまうのではなく、いろんな人に会って、いろんな話を聞いて、自分だったらどれがいいかなって考えて、自分自身を構成していくのがよいと思います。

君は絶滅危惧種、うなぎよりすごい

――8月下旬から9月にかけては、子どもの自殺が多い時期でもあります。春名さんは、誰に向けて、どんなアイメッセージを発信しますか?

特定の誰かではなく、すべての人間に対し、朝起きたときに「自分はすごい!」って叫んでほしいなって思っています。

「自分はすごい!」と考えることは、自我を大切にすること。自信は裏切らないし、自信を持っていれば、他人を自分より下の立ち位置に落とし込む必要もなくなるんです。

(写真:不登校新聞)

何より、君という人間は地球上にたったひとりしかいないから、本当にすごいんです。君がいなくなってしまったら、その種は途絶えてしまう。僕は「絶滅危惧種」と呼んでいるんですが、もはや、うなぎの比じゃないんですよ。

ジグソーパズルにたとえれば、今いる場所に自分のピースがはまらないことがある。けれど、それは君に問題があるわけじゃなくて、そもそもちがうパズルなんです。君がきちんとはまるパズルは別のところにあるはずです。

もし、今いる場所が君のすごさを認められないような場所ならば、捨ててしまっていい。逃げるっていう言い方よりも、捨てるっていう表現こそ、僕は必要だと思う。君をいじめてくるような人は、君の人生にとって必要な人じゃありません。その人とこれから一生付き合っていくわけでもないから、がんばって気に入られようと無理をする必要もないんです。

いじめ以外にも、つらいことはいろいろあると思う。ふと、あきらめたくなるときもあると思う。でも、君が今いるそこがすべてじゃない。いつか、僕と出会い、話をする日が来るかもしれない。だから、僕は君に生きていてほしい、そう思っています。

――ありがとうございました。(聞き手・小熊広宣)

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また、不登校、いじめ、ひきこもりに関するニュース、学校外の居場所情報、相談先となる親の会情報、識者・文化人のインタビューなども掲載されています。紙面はすべて「親はどう支えればいいの?」という疑問点から出発していると言えます。

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