出社せず外で働きたい人はこの常識を知ろう 大企業を中心にテレワークの導入例が増加中

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 テレワークを行う場合、いくつか注意点があります。一番決めておかなければならないのは費用負担に関するところでしょう。特に在宅勤務をする場合には、通信費等様々なコストが発生します。

事前に経費負担の確認が必要

 まずはパソコンやその周辺機器、スマホなどが該当します。無線LANなどの通信費や文房具代、水道光熱費など会社に勤務していれば当然に会社が負担していた諸経費が個別に発生します。これらのコストは特に会社が負担しなければいけないという決まりはありません。
 
 したがって、これらを事前に確認した上でテレワークを開始したほうがよいでしょう。なお、費用負担については、そのルールも含めて会社の就業規則等により定められていますので確認をしてください。
 
  その他、パソコンで作業することがメインとなる場合は、厚生労働省が定めた「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に沿った作業環境が求められるため、パソコンのディスプレイや室内の照明、採光、空調などの改修コストも自身で負担しなければならないかもしれません。
 

また、労災保険も労働者である以上は適用対象となりますが、例えば、自宅のメンテナンス不良によるケガなど、会社勤めであれば業務上と認定されるケースでも自宅では認められないこともあるので注意が必要です。

会社員の多くは働く場所に制限のないテレワークに肯定的かもしれません。しかし、本格的にテレワークが導入されたとしても、それが可能な業務と不可能な業務があります。顧客と直接対面する必要がある業務や製造業、その他セキュリティ上、環境を制限されるような業務もテレワークの適用は難しい。

例えば、私どものような社会保険労務士事務所ではテレワークが適用できる職種とサテライトオフィス勤務すらNGとなる職種がハッキリと分かれます。マイナンバーをはじめとした個人情報を扱う業務については、情報の社外への持ち出しが禁止されているので、在宅勤務やモバイルワークは出来ません。クライアントによっては作業場所の指定までされているので、どんなにセキュリティレベルを上げてもサテライトオフィス勤務さえも禁止されています。

一方、労務コンサルティング業務や執筆業務、研修、セミナー講師及び資料作成など個人情報等を扱わない業務は在宅勤務はもちろんのことモバイルワークが認められやすいと言えます。つまり、自分がどんな業種でどんな業務をできるようになるのかで、今後テレワーカーとなれる確率が変わってくるのです。営業職を除けば、クリエイティブな業務が出来るようになると、働き方もより自由度が増しそうです。

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