中国ロボット産業、急速パワーダウンの事情

トランプ大統領による関税が影響

 8月23日、米国政府がさらに2000億ドルの追加関税徴収を決めれば、中国のロボット生産業者の状況はさらに悪化するとアナリストは指摘。写真は17日、北京で開催された「世界ロボット大会」の会場(2018年 ロイター/Jason Lee)

[北京 23日 ロイター] - 中国・北京で開催中の「世界ロボット大会」では、子どもの背丈ほどの「パワーレンジャー」姿で踊るピンクとブルーのロボットたちが注目を集めた。

中国と米国の合弁企業アバターマインド製のロボットたちは、将来的に店舗販売員や教師、主婦の補助の役割を担う。

アバターマインドのジョン・オストレム最高経営責任者(CEO)は「当社は企業などだけではなく個人でも支払える価格で販売したいと考えているが、トランプ米大統領による関税が影響しそうだ」と述べた。

大幅に減速

中国のロボット生産は7月に年率6.3%増と、5月の35.1%増から大幅に減速した。

国家発展改革委員会(NDRC)は、通商の影響ではないとしているが、アナリストらは米中間の貿易紛争がロボット部品などの生産に間違いなく影響していると主張する。米中の通商協議中は、中国の製造業者が生産活動を見合わせているからだ。

INGホールセール・バンキングのエコノミスト、アイリス・パン氏は「(貿易紛争が)影響しないはずがない。すでに輸出製造業者の決断が一部先延ばしされている」と指摘する。

米国は22日夜中過ぎ、中国製品160億ドル分への追加関税徴収を開始した。ロボットは対象品目として具体的に明示はされていないが、電子製品や自動車部品、自動製造される製品が対象となっている。最初の関税では工業用ロボットが対象に含まれていた。

アナリストは、米国がさらに2000億ドルの追加関税徴収を決めれば、中国のロボット生産業者の状況はさらに悪化すると指摘する。

中国はハイテク産業など10業種を10年がかりで育成する「中国製造2025」と呼ぶ政策を掲げ、ロボット産業もそのうちの1つとなっている。

中国企業の一部は、米国との通商関係が失われることになっても、習近平国家主席の広域経済圏構想「一帯一路」政策が産業を押し上げてくれると期待する。

また、少なくとも現在の中国での生産コストの安さが、米国による関税分を相殺してくれると期待する声もある。

中国の医療用ロボットメーカー、リメボットのマネジャー、リ・シュアイ氏は、同社ロボットに対する米食品医薬品局(FDA)の承認を申請中だと話す。「フランスには似た製品があるが、価格は何千万ドルだ。一方、当社の製品は500万ー600万ドルに抑えられていて、だからこそ優位に立てる」と強調した。

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