MINIが「くまモン」に白羽の矢を立てたワケ

コラボは全国に広がり、来店者増も実現した

MINIは単なる移動手段ではなく、エネルギッシュで楽しい、オーナーの相棒のような存在の車。同じく元気いっぱいで親しみやすいくまモンに協力してもらって、より幅広い層に訴求していきたいと考えた、とのこと。なるほど。

松本さんに会ってお話を重ねるうちに意気投合し、お互いに話が盛り上がり、今回のコラボ企画はだんだんと大きなものになっていきました。最初は、7月中旬の3連休に合わせ、全国のディーラーで来場者に「(通称)くまモンMINI」のステッカーをプレゼントし、実物の展示は熊本県内のディーラーに展示するだけの予定だったのですが、県外のディーラーでも展示したいというのです。

熊本県にとっても、MINIにとっても見事な結果に

「くまモンMINIのステッカーは大好評で来場者が14パーセントも増えたんですよ。夏枯れのこの時期にこれはすごい数字です。そこで、8月にはぜひ全国のディーラーでくまモンMINIを展示したいのですがいかがでしょうか?」

「それって、複数台作るってことですよね?」

「ええ、全国115店のうち70店で展示したいと考えています」

「ということは、70台?」

「ええ、そうなります」

『くまモンの成功法則――愛され、稼ぎ続ける秘密』(幻冬舎)。書影をクリックするアマゾンのサイトにジャンプします

「……こうしましょう。来場者の方々向けに、熊本の観光PRをしてもらえませんか? ポスターやパンフレットはこちらで用意します。『くまモンMINIに乗って熊本に行こう!』みたいなイメージです。それなら県にとっても意義のある企画になります」

「来場者には来場記念品とか渡しますよね。それも熊本県産品にできませんか」

と付け加えるのも忘れません。

おかげさまで、熊本とは縁もゆかりもない国内各地に点在するMINIの100店のディーラーで(熊本フェアーは、実車を展示しなかった30店舗でも行われました)熊本の観光と特産品のPRを行うことができました。1円の県費もかけずに。MINIにとっても、来店者数が前年比約110パーセント増、新規顧客は118パーセント増という見事な結果となりました。

《チームくまモンの仕事の流儀》もったいない

「少しデザインを変えるだけでグンと便利になる日常品。人を喜ばせるチャンスをみすみす逃しているお金の使い道。次に生かされないまま忘れられていく失敗。世の中の至るところで、引き出されないまま眠っているモノやコトの価値。それらに気づき、『惜しい』『自分だったら』と思うことこそ、アイデアを生む最大の原動力だ」と小山薫堂さんは著書『もったいない主義』で述べています。

チームくまモンにとって「もったいない」は原点です。「もったいない」からくまモン営業部長が誕生したように、海外老舗ブランドとのコラボもまた「もったいない」からどんどん広がりました。

自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 不安な時代、不機嫌な人々
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
人材戦略から儲けのからくり<br>まで コンサル全解明

人材の争奪戦が過熱し、年収水準もうなぎ登りに。デジタル化を背景にコンサルティング業界は空前の活況を呈しています。本特集ではコンサル業界の動向やビジネスモデルを徹底解説。コンサル会社を賢く選び、上手に活用していくノウハウを紹介します。

東洋経済education×ICT