MINIが「くまモン」に白羽の矢を立てたワケ コラボは全国に広がり、来店者増も実現した

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MINIくまモンバージョン(MINIのイギリス・オックスフォード工場、写真:ⓒ2010熊本県くまモン、撮影:宮井正樹)
ゆるキャラブームは終わったといわれるなかで、まだまだ高い人気を保つ「くまモン」。熊本県庁職員を中心にくまモンをプロデュースする「チームくまモン」が、その仕事の流儀を明かした『くまモンの成功法則――愛され、稼ぎ続ける秘密』から、くまモンに白羽の矢を立てたBMW MINIとのコラボの裏側を紹介します。

ある日、小山薫堂さんからサプライズな電話がありました。

「(BMW)MINIから、くまモンバージョンのMINIをくまモンにプレゼントしたいと言ってきているんですが、どう思われます? イギリスのオックスフォードにMINIの工場があって、よければご招待する、ということらしいんですが」

外国自動車メーカーからの寄贈、受けてしまって大丈夫?

なんだかトンデモないことになってきたと、課内が沸き立つなか、ちょっと待てよ、と冷静になることも必要です。熊本県は、カーアイランド九州といわれる国内自動車産業の集積地の一角を占め、国内自動車メーカーの傘下企業が、多数立地しています。その国内自動車メーカー各社を差し置いて、よりによって外国の自動車メーカーから寄贈を受けることになれば、国内メーカー各社が何と言うか……。

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くまモンを預かるくまもとブランド推進課は、当時、県の組織では商工観光労働部に所属していました。商工観光労働部には企業立地課があり、企業誘致に他県としのぎを削っています。同じ部の中にあるくまもとブランド推進課が、他課に迷惑をかけるわけにはいきません。おっとり刀で部長室に走ります。

「……というわけで、どうしたものかと思い、相談に参りました」

「……わかった。悪い話じゃない。むしろよか話だが、ちょっと時間をくれんや」

部長の動きは速く、関係する企業の幹部に経緯を説明し、話をまとめてくれました。

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