「木造」にプレハブメーカーが参入する事情

プレハブ工法のコスト低下にも限界がある

大手プレハブメーカーにとっての「木造住宅」の位置づけとは?(写真:JamesBrey/iStock)

大手プレハブメーカーが木造住宅事業に続々と参入する一方、地方発のパワービルダーや工務店が勢力を伸ばす戸建住宅市場。いま、住宅市場で何が起きているのか。「日本の戸建住宅を襲う『ガラパゴス化』の懸念」(8月30日配信)に続く後編をリポートする。

オープン工法で攻める新興勢力

世界的な流れとなっている環境問題への対応を進めるため、日本では2020年に向けてZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及や、資源循環型の国産材を利用する動きが進んでいる。こうした流れは、住宅業界の構造変化にどのような影響を及ぼすのか。

ZEHへの取り組みは、2016年度から本格的にスタートした。住宅の断熱性能や省エネ性能を向上し、太陽光発電などでエネルギーをつくることで、年間の1次消費エネルギー量の収支をゼロにするのがZEHだ。高い技術力が求められるため、大手メーカーのプレハブ住宅へ有利に働くとみられていた。

しかし、ZEH補助事業団体の環境共創イニシアチブによると、主要企業のZEH比率(販売棟数全体に占めるZEHの割合)は、2017年度実績でトップは、積水ハウスの76%だが、次いで高いのが一条工務店の72%。セキスイハイムの50%を除くと、大和ハウス工業、旭化成ホームズ、住友林業、ミサワホームなどの大手は20%台に留まる。木造在来でもZEH比率93%を達成しているエコワークス(福岡市)のようなビルダーもあり、ZEHでもプレハブ住宅が有利というわけではない。

輸入材に比べてコスト高と言われてきた国産材の利用も進み出した。タマホームは5年前から積極的に国産材活用に取り組み、現在では住宅構造材の72%を国産材で賄っている。独自の木材乾燥技術を持つ地域ビルダーの夢ハウス(新潟県北蒲原郡)は、国産材供給を武器に400社を超える工務店のボランタリーチェーンを展開。加盟社数では、アキュラホームやLIXIL住宅研究所を抜いて日本最大の工務店ネットワークに成長している。

建設業向けICTの性能アップと低価格化も、木造住宅の工業化を加速している。以前は大手しか利用できなかった3次元設計技術のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)システムを中小工務店でも導入できるようになり、工事現場管理などの各種スマートフォンアプリが続々と登場。今後、普及が見込まれるIoT住宅向けにOS(基本ソフト)「v-ex」を独自開発して工務店やビルダーに提供する事業を始めた地域ビルダーSOUSEI(奈良県香芝市)も注目されている。

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