イカ好きを魅了する通の食べ方は「全刺し」だ 福岡・中洲、生き造り発祥の店で14部位に命名
閑話休題。イカ愛好家の中村さんは言う。「なぜ牛肉には部位ごとに名称があるのに、イカに部位がないのか」。
牛肉には「ハラミ」「ヒレ」に始まり「イチボ」「ザブトン」など多彩な部位名が、その存在感を高めている。イカにも部位名を付けることで福岡の食文化の中での地位をもっと高めよう。「全刺し」の文化を全国発信することで、イカを通して福岡のさらなる魅力アップにもつなげよう。命名には、そんな思いを込めた。
命名は「発祥の店」で採用
サミットに参加したのは、プランナーやコピーライター、広告代理店やIT企業関係者など多彩な業種の約20人。
内蔵などを除き「全刺し」にできるイカの部位を細かく分けて、そのネーミングを試みた。
広告プランナーの中村さんは、「ネーミングする上の基本は▽場所▽カタチ▽機能。この三つを込めて、部位を名付けよう」と呼び掛けた。
そうして決まったのが、次の名前だ。
A=かんむり(えんぺら=ひれ=の中でも先端部にある「貴重な部分」)
B=えんぺら
C=さんかく(三角形に由来)
D=みのなか(身の中心部)
E=みのあし(身の足=本来は腕だが=に近い部分)
F=まかない(生き造りでは形をスッキリ見せるために本来は提供せず、まかないとして食べられる部分)
G=なかおち(軟骨の脇のこりこりした部分)
H=つなぎ(身と腕をつなぐ部分)
I=こがね(両目の間にある、とろみのある黄金色の部分)
J=くちばし(口の部分※生き造りでは食べない)
K=くし(げその上部で、形がくしのようなので)
L=にほん(2本ある腕)
M=げそなか(げその中央部)
N=げそさき(げその先端部)
最後に、DからEにかけて2本伸びている、軟骨の脇のこりこりした部分を、番外として「なかおち」と名付けた。
河太郎の古賀社長も納得。これら13の部位名を今後、河太郎で正式に採用することになった。
限られた資源をいただくことへの感謝を新たにしながら開かれたサミットでは、異業種の参加者間でイカを使った新たな製品の可能性も話し合われ、先々の商品化へ向けた具体的なアイデアも提示された。
福岡の子どもたちが「烏賊」の漢字をすらすら書けるぐらい、イカを福岡の名物にしよう――。そんな言葉で締めくくられた「烏賊サミット」は今後も継続予定。貴重な海の恵みを巡る新たなアイデアが、福岡の街をさらに盛り上げるかもしれない。
(記者:福間慎一)
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