定年後に健康保険料を低く抑える上手な方法

民間の医療保険に入るのは実はムダ?

充実した保障のある健康保険ですが、会社員の場合、保険料は事業主との折半になっており、本人の負担は保険料の半分です。では、定年退職したり、退職して自営業になったりした場合はどうなるでしょうか。

会社員でなくなると、健康保険から、国民健康保険に切り替えることになります。国民健康保険の保険料は前年の所得を基準に計算されるため、退職直後は保険料が高くなるのが普通です。また健康保険には扶養の仕組みがあり、1人分の保険料で扶養する世帯全員が給付を受けられるのに対し、国民健康保険では扶養する家族の分も保険料がかかってきます。このようなことから、特に会社を辞めた直後は保険料の負担が増えてしまいがちですが、1つ、いい方法があります。それは、健康保険の「任意継続」という方法です。

退職に備え、健康保険の「任意継続」を選択する

任意継続とは、退職前の健康保険を退職後も引き継ぐものです。会社員なら保険料は会社との折半なのに対し、任意継続では全額自己負担となり、収入が多いほど保険料は高くなりますが、任意継続保険料は標準報酬月額が28万円までと上限が決まっています。東京都の協会けんぽの場合、40歳未満では月額2万7720円、40歳以上では介護保険料を含め同3万2116円が上限です。

退職前の給料が60万円(標準報酬月額59万円)の人は、保険料は40歳未満では2万9205円、40歳以上では3万3836円ですので、退職後、任意継続して保険料が全額自己負担になっても、支払う額はほとんど変わりません。この保険料で扶養する世帯全員が給付を受けることができます。

任意継続できるのは退職の翌日から2年ですが、国民健康保険の保険料が高くなりがちな退職直後に健康保険を継続できるメリットは大きいといえます。資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内に手続きが必要なので、勤務先に確認しておきましょう。

健康保険を任意継続した場合、基本的には会社員のときと同様で、高額療養費の「付加給付」や人間ドックの受診補助といった給付も、継続して受けられます。

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