定年後に健康保険料を低く抑える上手な方法

民間の医療保険に入るのは実はムダ?

ただし、連続して4日以上仕事を休むと4日目から給付金がもらえる傷病手当金については、タイミングによって扱いが異なります。

まず、退職して任意継続になったあとに病気などでパートなどの仕事を休んだ場合はどうなるでしょうか。このケースでは傷病手当金は受けられません。

一方、在職中に病気やケガで休業して傷病手当金を受けはじめてから退職した場合はどうでしょうか。この場合は、退職後も給付されます。

たとえばケガで仕事を休み、傷病手当金の給付がはじまり、そのまま退職すると、在職しているのと同様に、最大1年6カ月、給付が受けられるというわけです(退職後、任意継続せず、国民健康保険に切り替えても給付が続きます)。

もし「体調が優れず仕事を辞めようか悩む」といったケースでは、退職前に検査や診察を受け、傷病手当金の給付がはじまってから退職を考えるのがよさそうです。その前に辞めてしまうと、傷病手当金は受けられませんから要注意です。

もう1つ注意したいのは、連続して休業する、ということです。休業している間に「もう働くのは難しい」と考えて退職を決意し、引き継ぎや残務整理のために数日だけ出勤したりすると、休業期間が途切れ、傷病手当金はストップしてしまいます。くれぐれも注意してください。

70歳からは高額療養費の負担上限額も下がる

もし65歳まで働く場合は、65歳から最長2年、健康保険の任意継続が可能です。その後は国民健康保険になり、70歳からは、国民健康保険に加入のまま「高齢者医療制度」に切り替わり、窓口での負担が変わります。 この場合、高額療養費の自己負担額の上限も下がり、年収約156万~370万円の人では、外来では個人ごと1万8000円(年間の上限14万4000円)、世帯ごとの入院や外来では5万7600円です。

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つまり、高齢になると医療費の自己負担額は下がるということです。加えて、現役では休業などで収入が減るリスクがありますが、リタイア後であれば収入ダウンの心配もありません。

「高齢になるほど病気にかかりやすいから」「年金生活で医療費を出すのは大変そうだから」といった理由で民間の医療保険を続けたり、医療特約の保険期間を延長したりする人は少なくありません。たしかに病気やケガはしやすくなりますが、必ずしも医療費の負担感が増すとは限りません。高齢になってからの医療保険は必要性が低いといえるでしょう。

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