親の死亡後、手続き次第でお金が戻ってくる 供養のつもりでやれば、数十万円以上にも

拡大
縮小
親が亡くなったら、健康保険や年金などいろいろな手続きが必要。しっかりやればおカネが数十万円戻ってきたり、もらえることも(写真:PHOTO NAOKI / PIXTA)

親だけに限りませんが人が亡くなると、遺された親族はさまざまな手続きをする必要があります。戸籍、健康保険、年金、預金……など、すべきことはたくさんあり、実際のところ、本当に大変です。でも、手続きをすることで「戻ってくるおカネ」「もらえるおカネ」もあることを知っていますか?

払いすぎた保険料が戻ってくる

書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。10月と11月に東京・大阪で計4回、井戸美枝さんが新刊の刊行記念(無料)セミナーを行います。参加ご希望の方、詳細についてはこちらをご覧ください。

私は昨年、実の母を亡くしました。母の介護施設を決めるところから旅立ちまでについては、前回の「親の介護を決める際のチェックポイント」でも触れたとおりです。

亡くなった後、お葬式を行うのも大仕事でしたが、そのあとにも、さまざまな手続きが待っていました。今回は、もともと社会保険労務士として得ていた知識に加え実体験も踏まえ「戻ってくるおカネ」「もらえるおカネ」についてお話しします。

まず健康保険から戻ってくる「過誤納金還付」です。

75歳未満の人は国民健康保険、75歳以上の人は後期高齢者医療制度に加入しており、被保険者が亡くなると14日以内に市区町村の担当窓口に「資格喪失届」を提出します(会社員の場合は勤務先に連絡)。

この手続きによって健康保険の加入者ではなくなりますが、国民健康保険、後期高齢者医療制度とも、先々の保険料を前納するしくみになっており、先々の分も保険料を払い込んでいます。そのため、死亡したあとの保険料を払いすぎたことになり、これが戻ってくるのです。

資格喪失届を提出すると、後日、還付のお知らせが届きますから、振込先などを記入して返送すれば、手続きは完了です。少ない額とはいえ、私も母の後期高齢者医療保険の過誤納金を2460円、介護保険料を213円、受け取りました。納めている保険料が多いほど、また払いすぎになった日数が長いほど、戻ってくる額が多くなります。

次ページ申請すれば「葬儀費用の一部」として数万円がもらえる
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT