アメリカ「Z世代」社会への底知れない影響力

銃規制がついに中間選挙主要テーマの1つに

アメリカではこの夏休み、高校生を中心に「銃規制」を求める集会が各地で開かれた(写真:Shutterstock/アフロ)

8月12日、米国北東部のコネチカット州で、フロリダ州のマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の生徒たちが中心となり、銃規制の強化を訴える集会が行われた。2月14日に発生した銃撃事件の舞台となった同校の生徒たちは、6月中旬から銃規制の強化を全米各地で訴えてきた。夏休みの最終日に当たるこの日は、2カ月にわたる全米ツアーの最終日だった。

フロリダの高校生たちの活動といえば、3月に全米で行われた大規模な集会が記憶に新しい。その後の報道は下火になった印象だが、高校生たちは粘り強く運動を続けてきた。活動内容を伝えるホームページによれば、高校生たちは今回のツアーで全米68カ所を回り、さまざまな交流を行ってきたという。高校生たちのツアーが最後に訪れたコネチカットは、2012年に小学校で大規模な銃撃事件があった場所である。

運動の主役は90年代後半生まれの「Z世代」

高校生たちは、着実に活動の輪を広げている。今回のツアーでは、自らも銃撃事件に遭遇した経験がある学生や、各地で銃規制の強化を訴えてきた若い活動家などが訪問先で合流し、フロリダの高校生たちとともに、次のイベントに向かっていったという。その中には、6月にニューヨークのランドマークであるブルックリン橋で、銃規制の強化を訴える大規模なデモを成功させた若者なども含まれる。

高校生のツアーには、さまざまな人種の若者が加わった。当初、フロリダの高校生による運動には、「犠牲者に白人が多いからこそ、全米の注目を集めている」との批判があった。そうした批判を乗り越え、高校生たちは人種の壁を超えたつながりを築いている。

これまで米国では、社会や政治を変えうる存在として、1980年から1990年代半ばまでに生まれ、現在は20代前半から30代後半にあたる「ミレニアル世代」が注目されてきた。しかし、今回の運動の主役は、さらに若い1990年代後半以降生まれの「Z世代」である。主力が10代で、その多くが投票権すら持っていないZ世代の運動が、じわりと銃規制の議論を変えつつある。

米国における銃規制強化の運動は、失望の繰り返しだった。コネチカットの出来事のように、悲惨な銃撃事件が起こるたびに世論は盛り上がるが、なかなか実際の規制強化にはつながらなかった。それどころか、コネチカットでの銃撃事件の後、2018年の初めまでに行われた地方自治体での銃規制の変更は、総じて規制を緩和する方向にあったという。フロリダでの銃撃事件も、今のところ連邦政府による規制の強化には結び付いていない。

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