"追い風"住宅業界が怯える「反動減」の衝撃

10~12月の住宅景況感は急落。この意味は?

業界内では、「経過措置の存在を知らずに、土壇場の9月に駆け込む人が多かった」(不動産経済研究所の福田秋生・企画調査部長)という声も聞かれる。

実際、国交省が事業者や消費者向けに「すまい給付金」の説明会を開いたのは今年8月に入ってから。みずほ総合研究所は「負担軽減策によって6割の世帯で消費税率が8%に引き上げられた後のほうが有利になる」と試算するが、その恩恵が国民に十分認知されていなかった可能性は否定できない。

問題の顕在化は来年度以降か

受注環境は急変している。しかし、着工戸数については今年度いっぱいは高水準を維持しそうだ。注文住宅の場合、請負契約を結んでから2~3カ月後に着工するのが一般的。ただ、駆け込みなどで受注が殺到した時は、着工までに半年近くを要するケースもあるという。仮に受注が急失速したとしても、着工数の減少が顕在化するまでには、まだしばらく時間がかかりそうだ。

前回(1997年4月)の消費増税時も今回と同様に半年前を期限として経過措置が取られたが、住団連の景況判断指数(受注戸数実績ベース)は1996年7~9月期のプラス84から10~12月はマイナス76に急悪化した。

バブル崩壊後の景気後退の中で「山一ショック」などが起きた前回時と単純に比較できるわけではないが、どこまでが実需か、状況が一段落するまで判断できないのは同じ。駆け込みの実態が判然としない中、住宅業界は例年以上の不安を抱えながら、年越しの準備を進めている。

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