「専業主婦にiDeCoは無意味」は大間違いだ 年収103万円「以下」でも「超」でも加入すべき
個人型確定拠出年金(通称:iDeCo)は、昨年(2017年)から加入対象者が一挙に拡大し、いまも順調に増やしています。なにしろ、この制度が始まった2001年から一昨年2016年末までの15年間でも加入者はやっと約30万人しかいなかったのに、いまや2018年5月末時点では91万人強となり、まもなく100万人を超えようとしています。「たった1年半でそれまでの15年間の2倍以上」というのはかなりの勢いと言っていいでしょう。
iDeCo利用でも所得控除が使えないなら入っても無意味?
しかし、加入者の内訳を見るとやや残念な傾向も見えます。91万人のうち、本来であれば最も入る必要性の高いはずの1号被保険者(自営業等)は12.6万人、昨年から加入できるようになった公務員が17.6万人、そして同じく加入できるようになった3号被保険者、俗に言う専業主婦(主夫)はわずか2.6万人にしか過ぎません。もっともこれについては「それは当然ではないか」という意見があります。なぜなら「専業主婦(主夫)は働いていてもその多くは所得税の発生しない金額の収入しかない。だからiDeCoの最も大きなメリットである所得控除が使えない」というのがその理由です。
確かに給与所得控除65万円に基礎控除の38万円を足した103万円までの収入であれば、本人の所得税はゼロです。俗に言う「103万円の壁」です。今年から150万円という新しい壁ができましたが、これはあくまでも夫の所得から控除される場合に適用される金額が変わっただけです。
相変わらず「本人の収入が103万円以下では所得税がかからない」という点は変わりません。したがって、「パート勤務で年収103万円以下で働く人の場合は、所得控除のメリットがない」というのはその通りです。そこでFP(ファイナンシャルプランナー)のなかには「専業主婦にはメリットがないからやるべきではない」と言い切る人もいます。でも、果たして本当にそうなのでしょうか?
私は専業主婦(主夫)でもiDeCoを利用する意味はあると思っています。
103万円以内でも、103万円超でもです。なぜそう言えるのでしょうか。さっそく説明しましょう。
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