大塚家具、無借金でも自主再建が難しい根因

3期連続で大幅赤字に、「提携先交渉」も難航

さらに従業員の数も直近3年間で約260人(全体の約15%)減った。急速な人員の減少に加え、売り場の縮小や度重なるレイアウト変更の対応に追われ、現場を担う社員のモチベーションや営業力も低下していたとみられる。

経営を圧迫する新宿や銀座の店舗賃料

他方、2015年12月末に109億円あった現預金は、2018年3月末には10億円に急減。一部の有価証券やわずかな土地を除き、即座に現金へと換えられる資産は手元にほとんど残っていない。

現在、同社は在庫と差し入れ保証金を担保に、金融機関3行との間で計50億円の融資枠を確保している。6月には約20年ぶりに借り入れを行った(7月に返済し現在は無借金)。今後も賃料や人件費など莫大な固定費の支払いで資金繰りに窮する可能性はある。

特に経営を圧迫するのが、定期借家契約による大型店舗の賃料だ。契約は10年、15年など長期間が基本で、多額の違約金を支払わないかぎり、契約途中での閉店や面積縮小が難しい。代表例が新宿や銀座の大型店だ。新宿は、貸主である三越伊勢丹ホールディングスに年間十数億円の賃料を支払っているとみられ、少しでも賃料負担を減らそうと、今春から最上階は資本業務提携を結ぶ貸会議室運営のティーケーピー(TKP)に転貸している。

また、銀座の店舗に至っては、貸主の三井不動産に対し賃料減額を求めてきた末に訴訟ざたへと発展。会員制ビジネスで成功し、拡大路線に走った時代の“負の遺産”ともいえる固定費の重さが、現在の同社の立て直しの足かせとなっている。

金融機関との50億円の融資枠で今期を乗り切れたとしても、売上高の減少に歯止めをかけられない状況で来期以降の資金繰りは厳しい。この点は会社側も認識し始めており、目下スポンサー候補との交渉に奔走しているもようだ。

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