日経平均株価はどこで下げ止まるのか

相場は終わっていないが今週は下値模索か

よく言われるのが、平成バブルのときの東証1部時価総額と名目GDPとの関係だ。1989年の史上最高値時の東証1部時価総額(約590兆円)は、名目GDP(421兆円)の約1.4倍だった。

現在の日本の名目GDP(約556兆円)を基準にすると、相場の天井は東証1部時価総額が778兆円を超えた時ということになる。それからすれば、まだ、100兆円以上の余裕がある。また、2001年以前の株式に額面があった時代には、「2ケタ株価の銘柄がなくなるとき」が天井と言われ、これがけっこう当たったものだ。

現在の2ケタ銘柄と比較するのは難しいが、1つの概念として頭の隅に入れて置いたらどうか。この「2ケタ銘柄がなくなるとき」のアノマリーに現在で一番近い概念は、「PBR(株価純資産倍率) 1倍割れ銘柄がなくなるとき」ではないか。現在のPBR 1倍割れ銘柄が大量に存在する代表的な業種は、銀行、海運、鉄鋼、大手商社など、「ジャパンアズナンバーワン」の時代の主力業種だ。これらの銘柄が投機資金の受け皿になったとき、日本市場は大天井を打つのではないかと思っている。

2012年以降は「8月安値買い」が妙手に

さて目先のマーケットだが、チャート上では、前週末わずか2円弱足りなかった日経平均の25日移動平均と75日移動平均線の「ゴールデンクロス」(短期の線が長期の線を下から上抜くこと)が週明け月曜日にも2万2500円手前のあたり実現しそうだ。上昇中の2本の移動平均線のゴールデンクロスは、「グランビルの法則」では極めて強い買いシグナルのはずだ。

ところが見ての取り、先週末の300円安で、日経平均は2万2298円まで下落。この強い買いシグナルのポイントを下回っただけでなく、下値をサポートしていた200日移動平均(2万2384円)まで切ってしまった。このまま2万2000円を下回ると、テクニカル分析の天井形成である、ヘッドアンドショルダーのネックライン(この場合は第1次。第2次は約2万1500円)を下回ることになる。

そのきっかけとなったのはトルコリラの急落だが、欧州金融経済に不透明感が高まり、米中貿易摩擦の進展も読めない中、日経平均はこのテクニカルリスクも加わって不安が倍増している。

当然、今週は下値を探る展開となるが、バリュエーション(投資の指標面からみた割安度)が叫ばれる中で発生した下落は、意外にこじれるので、注意が必要だ。

例えば、PER(株価収益率) 13倍という「割安圏」から12倍に下がったら、「さらに割安」と呼べば済む。だが、「買い」の水準だったはずが、そこからさらに下がってしまうと、売る理由が見つからず、なかなか調整完了とはなりにくいからだ。しかし、もちろん下げは限界点に達すれば、反転する。そのような限界点で人々はようやく売りに出る。そのようにならぬよう、ここは冷静に対応したいものだ。実際、2012年以降、8月の安値を買った投資家は、年末時点ではみな儲かっている。もちろん、8月の安値がどこかは分からない。だから株式投資は厳しく、そして面白いのではないかと思う。今週の日経平均予想レンジは2万2000円―2万2500円とする。

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