続いて、優秀作品を2作。
エントリーシートや面接の不合格者に届くメールの末尾には、「貴殿の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます」や、「充実した学生生活を送られることをお祈り申し上げます」といった文言が挿入されていることが多い。これをお祈りメールと呼ぶ。そして、お祈りメールが届くことを「祈られた」「お祈りされた」などと表現する。
この手の不合格のメールが来ないこと、つまり合格になることを「祈る」という句だが、実はこの「お祈りメール」すらも届かないこと(=「サイレント」と呼ぶ)を、学生は最も嫌う。いつまで待てばいいのかわからないから、もっとたちが悪い。
就活は”不都合”の探り合い
就活(採用活動)は、企業と学生の“化かし合い”、と昔からよく言われる。企業のセミナーや説明会に登場する社員や、リクルーターとして学生の前に現れる社員は、いずれも社内で優秀と評される社員ばかり。企業側だって、不都合な内情は隠しているもの。面接に当たって、採用担当者からは「普段のみなさんをそのまま出してください」と言われるが、ありのままの自分に自信を持っている学生など、ほんの一握りだ。少しでもよく見せようと躍起になる。
学生側も身なりや面接での受け答えはもちろんのこと、FacebookやLINEなど、普段の姿がまるわかりなものは要注意である。かつては、興信所を使って内定者の身辺調査をする会社もあったが、さすがに最近はない。それらの行為が禁止されたこともあるが、SNSを見るだけで、もっと手軽にできてしまうからそこまでする必要もない。どうする学生諸君、アカウントを閉じる?
ここからは、佳作に入選した作品を紹介していきたい。
働き方改革による残業時間抑制の流れを受けて、「当社の残業は多くない」と言う企業は増えている。だが、そう言っている会社から届くメールの送信時間を見れば、その会社の言っていることが本当かどうかよくわかる。人事がこの時期に忙しいことは理解しているが、夜遅くにメールを送るということは、「私は今残業しています」と言っているようなもの。就活生を不安にさせる要素になるのではないだろうか。
就活期になると、エントリーシートや面接のために、サークルの「副代表」や「副部長」を名乗る学生が急増する。本当は何の役職にも就いていないにも関わらず、さすがに代表・部長とまで名乗ることには、気が引けるらしい。どこかでバレるリスクも大きくなる。全国の大学の部やサークルの数を調べてみると、副代表・副部長の人数のほうが上回っているのではないだろうか。
ただ、「副○○」の役職というのは、一見すごそうだが、実は何もすることがない。中学・高校の生徒会の副会長しかり、分譲マンションの管理組合の副理事長しかり、企業の副社長しかり?
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