医学部の面接試験は「志望動機」で落とされる 合格するためには「強い志」が必要だ

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一例を挙げておこう。

「政治家は『政治』というシステムから多くの人の命を守ることができますが、私は『臨床医として直接の医療行為』によって、目の前で助けを求めている病気の人を救いたいと思ったからです」

この回答のポイントは、質問の意図をきちんと把握できているところにある。

政治家でもできること、医師にしかできないこと、それぞれのアプローチの違いに触れつつ、「~の理由でやはり医師になりたい」という説得力のある回答をすることが大切だ。

医師を目指す者には、それぞれの志望理由が存在する。中には「親が開業医だから」「親族一同が医師だから」とか、「成績が良いので担任から勧められた」というケースもあるだろう。

ただし、現役医師の多くは「このような『受動的な理由だけで』医師を志望するなら、今すぐやめてほしい」と口をそろえる。

家庭環境や周囲の勧めは「恵まれた」要素であるものの、それに加えて「能動的な理由=受験生自身の強い志」が極めて大切なのだ。

コミュニケーション能力、協調性が重要

医師を目指す者には、「他人の命と健康を守りたい」という気持ちが絶対に必要だ。そのような気持ちのない医師には、患者は安心して命を預けられない。

現在の医療現場では、医師に看護師・薬剤師・診療放射線技師・理学療法士などを加えた「チーム医療」が重要視され、チーム全体で効果的な治療などを行うことが、患者の命と健康を守るための必須条件とされている。

そして、医師はチーム医療の「最高責任者」でもあり、言うまでもなく責任重大な存在だ。

医師にとって最も大切な素養は、各大学の「アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)」からわかる。その中で最も多かったワードは「コミュニケーション能力・協調性」である。

「高度な学力と知識・技能」などとうたっている大学は少数派であり、募集要項などに「あえて書く必要はない大前提条件」と言えるだろう。

受験生はつねにこうした認識を念頭に入れて勉強に励み、試験に備えるべきである。

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