社会全体に目を移すと、AI(人工知能)やロボットの利活用が進行中である。医学の世界においても例外ではなく、この動きは今後もますます加速するだろう。AIやロボットのほうが正確で優秀という面もあるだろうし、診断や手術もAIやロボットにすべて任せる時代がいつの日か来るかもしれない。
ただし、仮にそうなったとしても、「医療行為」においてはAIやロボットにはできない「血の通った温かい治療」を大切にしてほしい。
患者にとっては「正確な治療」も当然必要だが、医師からの優しい一言で患者や家族は安心し、また勇気づけられる。医師は「患者や家族が精神的にも安心して命を預けられる存在」であるべきなのだ。
人間性、人格を磨くことが大切
各大学が「アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)」の中で、「求める学生像」として挙げているものを紹介しよう。
【昭和大】医学を学ぶ目的意識が明確で、自ら求めて学び努力のできる人
【日本医科大】病める人の心を理解し、相手の立場で物事を考えられる人
このような実例によって、医師として「本当に必要なもの」がわかるはずだ。医師が行う医療行為とは「医師国家試験合格者への権利」ではなく、「患者の命と健康を守る責任」と考えるべきである。医師という職業は「ビジネス」ではなく、「使命」であるとも言えるだろう。
難関の医学部に合格するためには高度な学力が必要であり、医師としては相応の知識・技能も当然必要である。ただし、それだけでは「良い医師」にはなれない。それらに加えて、自らの「人間性・人格」を磨くことがもっともっと大切なのだ。それにはまず、「強い志」が必要だ。
患者の精神状態や家族のことも考え、安心感を与えられる医師。受験生の皆さんには、患者や家族に「先生が主治医で本当に良かった」と感謝されるような医師を目指してほしい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら