箱根「カレーパン・足湯」セットが人気のワケ 「スシキング」が仕掛ける非日常リゾート
「リゾートホテルを運営してきたわれわれの感覚からすると、伊豆の旅館は閉鎖的だなという印象を持っていました。もちろん、宿泊のお客様にくつろいでいただくため、外部の人を入れないというのは1つの手法ではありますが、われわれとしては東府やの敷地の中に、リゾートホテルのロビーやレストランのような日帰りのお客様にも楽しんでいただける空間をつくりたいと考えました」(桜井氏)
そこで考案したのが、赤倉での得意分野であるベーカリーと日帰り客も温泉を楽しめる足湯を組み合わせた、足湯カウンターのあるベーカリーだった。
足湯カウンターをつくるのにうってつけの場所もあった。芳泉荘が旅館になる以前、明電舎の創業者の別荘だった時代につくられたプールがあり、藤棚や紅葉、サルスベリなどが水面に映り、写真映えした。ちょうど、赤倉観光ホテルのSPA&SUITE棟最上階につくられた水盤「アクアテラス」が話題になった時期でもあり、これを生かさない手はないと、プールサイドに足湯カウンターを設置。宿泊部門の営業開始から半年遅れの2011年4月にベーカリー&テーブル東府やがオープンした。
米粉のカレーパン誕生
こうして始まったベーカリー&テーブル東府やで、現在、目玉商品として系列全店舗で販売されている米粉のカレーパンが誕生する。このパンは生地に小麦粉と米粉をブレンドしたものを使いモッチリ感を出し、さらに食感を楽しむためにライスクリスピーをまぶしている。また、赤倉観光ホテルのレシピに基づくカレーを使い、中にはゆで卵が丸ごと1つ入っている。しかも、ゆで卵の黄身がパサパサしないよう、黄身をくりぬいてホワイトソースにからめ、再び戻すという手間暇をかけた一品だ。
この米粉のカレーパンは当初の予想どおり一番のヒット商品となった。そのほか、レーズンがどっさり入ったぶどう食パンや紅茶のメロンパン、地元の食材を取り入れたパンなど、赤倉観光ホテルの伝統を受け継ぎながらも斬新な発想のヒット商品が数多く生み出されている。
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