ヤマト、引越で4.8万件「過大請求」の深刻実態

長期に渡り放置、顧客の信頼を裏切る事態に

会見で謝罪するヤマトホールディングスの山内雅喜社長(左)ら(撮影:大澤 誠)

「顧客から信頼を頂いているクロネコブランドとして、あってはいけないことと重く受け止めている」

宅配最大手のヤマトホールディングスは7月24日、子会社のヤマトホームコンビニエンスが法人顧客向けの引っ越し料金を過大に請求していたと発表した。2016年5月から2018年6月末までにサービスを提供した3367社の約8割にあたる2640社に対して過大請求があり、総額は約17億円に上る。

過大請求された企業にはすでに謝罪し、すみやかに返金する予定という。今後は外部専門家で構成する調査委員会による原因究明や、抜本的な再発防止策の策定を進める考えだ。

「組織ぐるみ」の不正は否定

過大請求は、家財運搬量や付帯サービスの変更などで、事前の見積額より実際の作業が少なく済んだ場合でも、それを反映せず、見積額をそのまま請求していたために起きたという。

実際の作業量に即した金額を請求するという基本ルールが守られていなかった。平均で1割程度高い金額を顧客に請求しており、一番取り過ぎていたケースでは、差額は19万円に上った。調査の結果、過大請求は地域による大きな偏りはなく、全国的に行われていたことも明らかになった。

冒頭に示したのは社数。過去2年間の過大請求を件数でみると計約4万8000件と、法人向け引っ越しサービスの提供件数の全12万4000件の約4割を占めた。広く過大請求が行われていた状況に対して、会見では「組織ぐるみ」であったかどうかに関心が集まった。ヤマトホールディングスの山内雅喜社長は、「組織としてこのような(過大請求の)指示をしたことはない」と組織ぐるみの不正を否定した。

それではなぜ社員は過大請求に走ったのか。ヤマトホームコンビニエンスの2018年3月期の業績を見ると、売上高627億円、営業利益が5億2200万円。約2年間の過大請求額が合計17億円であることを考えると、実質的に営業赤字だった可能性もある。

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