スペーシアの反撃とN-BOXには及ばない理由 2018年上期はタントを抜いて2位に浮上

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N-BOXを意識してか、タント現行モデルのカスタム系シリーズは、かなりN-BOXのカスタムシリーズにイメージが近い。スペーシアも初代の途中でN-BOXのカスタム系に近いイメージの「カスタムZ」を追加。それでも、なかなかN-BOXを販売台数で抜くことはもちろん、脅かすことすらできていなかった。

ダイハツ工業の「タント」(写真:ダイハツメディアサイト)

そして、2017年にホンダがフルモデルチェンジ(全面改良)した2代目N-BOXは、初代を凌ぐ大ヒットとなり、軽自動車だけでなく、登録乗用車を含めた新車販売全体でも販売ナンバー1となっている。

スズキは2017年12月に2代目となる現行スペーシアを投入した。同年10月に開催された東京モーターショーにコンセプトモデルとして出品されたが、その時の第一印象は「スズキがN-BOXに正面から勝負をしかけてきた」と感じるほど、N-BOXとバッティングするようなキャラクターとなっていた。

とくにカスタムシリーズは街中を走る姿を一瞬見ただけでは、「あれっ今のはスペーシア? それともN-BOX?」と振り返って確認してしまうほど、両車の印象は似ている。パレットや初代スペーシアでは、N-BOXとはガッツリとキャラクターが被っているとは思えなかったので、2代目スペーシアからは「スズキの本気」が見えたような気がした。

現行スペーシアの最大の武器はN-BOXには設定のない、マイルドハイブリッドシステムを採用していること。新規プラットフォームも採用。もちろんタントもライバルではあるものの、やはりN-BOXをより強く意識しているのは間違いないだろう。

N-BOXの盤石な地位は揺らいでいない

一方で、スペーシアが販売台数を伸ばし、少し差を縮めてはいるものの、N-BOXの盤石な地位は揺らいでいない。つまり、ホンダからお客を奪い取っているという構図ではなさそうなのである。スペーシアの売れ行きが伸びている要因としては、スズキ車ユーザーの開拓がうまくいっているという推察が成り立ちそうだと筆者は考えている。

軽自動車ユーザーは、大きく3群に分かれていると自動車販売業界では言われている。1群は、スズキやダイハツといった軽自動車が主軸のメーカーの車を乗り継ぐユーザー。2つめは、ホンダや日産自動車などのような普通乗用車を多くラインナップする総合自動車メーカーの軽自動車を好むユーザー。最後の1群はメーカー名にこだわりのないユーザーだ。

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