スペーシアの反撃とN-BOXには及ばない理由 2018年上期はタントを抜いて2位に浮上
「スペーシア」が販売台数を伸ばしている
スズキの軽自動車「スペーシア」がジワリと販売台数を伸ばしている。
全国軽自動車販売協会連合会(全軽自協)の統計によれば、今年上期(2018年1~6月)にスペーシアは、前年上期比約6%増の約7.9万台を販売。軽自動車新車販売の車名別ランキングで王者のホンダ「N-BOX」(約12.7万台)に続く2位に食い込み、前年同期の5位から3つも順位を上げた。それだけではない。同じジャンルのもう1車種のライバルで、前年同期は2位だったダイハツ工業「タント」(約7.1万台、今年上期は4位)との地位を逆転したのだ。
スペーシアは「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるジャンルに属している。今の軽自動車が全長3400mm×幅1480mm、エンジン排気量も660cc未満に収めなければならない規制がある中で、全高を1750~1800mm前後まで高めることで、子どもが車内で立てるほど高い室内高を確保。後部左右サイドドアにスライドタイプを採用するなど、使い勝手を高めてさまざまな層のニーズをつかんでいる。
N-BOX、タントも基本は同じコンセプトで、スズキ「ワゴンR」やダイハツ「ムーヴ」など、かつて軽自動車の売れ筋だったハイトワゴンから主役の座を奪っている一方で、最激戦区ともなっている。
もともとはダイハツが2003年に初代タントを市場投入し、このカテゴリが生まれた。初代タントはライバル車もいなく大ヒット。2007年に2代目がデビューした後、スズキは2008年にタントを意識した「パレット」を発売した。
そのパレット登場後もタントの優勢が続いていたが、2011年にホンダがこのクラスに初代N-BOXを投入するとたちまち大ヒット。2013年にダイハツがタントの現行3代目をリリース。スズキも同年にパレットの後継モデルとしてスペーシアを投入したものの、初代N-BOXはモデル末期までその人気が衰えることはなかった。
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