国会会期末に炸裂した「朝日砲」の巨大衝撃 本人は「二重帳簿疑惑」を否定しているが…

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怒りや混乱が渦巻いたのは野党だけではない。自民党内でも古屋氏に関する報道によって混乱が起きた。

ある自民党の議員秘書は「午後3時のニュースで本日の本会議が流れたと言っていた。それなのに党の国対に聞いても『まだ決まっていない』と言うんだ。でもニュースですでに確定的に流れてしまっている。そんな状態で東京で時間を潰すわけにはいかないから、代議士には地元に帰ってもらった。やらなくてはいけないことがいっぱいあるからね」と、いかにも迷惑そうに話した。

古屋氏は故・安倍晋太郎元外相の秘書

野党筆頭である立憲民主党の辻元清美国対委員長は「またアベ友ではないかという気持ちがある」と、豪雨迫りくる中「赤坂自民亭」の様子をSNSで拡散して顰蹙をかった西村康稔官房副長官の例をほのめかしつつ、うんざりした様子で記者団に語っている。

古屋氏は安倍首相より2歳上で、同じ成蹊大学出身。故・安倍晋太郎元外相の秘書も務めたこともあり、両者の縁は極めて深い。古屋氏は第2次安倍内閣で国家公安委員会委員長兼防災担当相兼拉致問題・国土強靭化担当相として初入閣を果たしており、思想信条的に最も安倍首相に近いひとりでもある。

「今回の件は立法府の要(かなめ)である議運委員長が泥沼にいたということが明らかになり、非常にショックだ。何よりも先に大島理森議長も自民党も古屋委員長に説明を求めるべきだが、明日の本会議は古屋委員長の職権でたてられている。果たしてこのままの状態で、大島議長は(本会議開会の)ベルを押せるのか」(辻元氏)

野党からの指摘を待つまでもなく、この問題は極めて深刻である。これについてさすがに政府与党もかばいきれない様子で、菅義偉官房長官は17日午後の会見で「議員がご自身で説明されるべき」と述べ、自民党の二階俊博幹事長も「本人が説明する」と言及。公明党の山口那津男代表も「説明責任を尽くすことが大事だ」と指摘している。

加計学園問題、日大アメフト問題など、「当事者がいかに誠実に説明するか」が問われる事件が相次いで起きている。古屋氏は自民党の幹部議員として、手本を示すべきだろう。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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