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「心は女性」の学生を女子大が受け入れる意味 トランスジェンダーを巡る歴史的経緯とは?

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  • 髙橋 裕子 津田塾大学学長、同大学芸学部英文学科教授
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あらためてトランスジェンダー学生の人権への対応は、一つの<点>としてではなく、様々な拠点で連なっている<面>として捉えなければならないことがわかる。

このプロセスは、アメリカの女子大学と連動したトランスナショナルな動きにあわせて、国内の動きにみられるようなローカルな繋がりに影響を受けてもいる。

今回のお茶の水女子大学の決定の背景には、このような多様な拠点での活発な議論や積極的な活動があった。

本課題に取り組むことは、21世紀における女子大学の意義をアップデートする必要と向き合うことでもある。

女子大学とは、いわば男性として出生し、男性と性自認している人たちを正規学生としては受け入れていない組織であるが、そのような教育空間で多様な女性たちが高等教育を受ける意義はどこにあるのかと問われるからだ。

女子大の存在意義が今こそ試されている

ジェンダーギャップ指数が144カ国中114位(2017年)の日本社会では、女性はいまだ社会のあらゆる分野において十分に包摂されていないという現状がある。

一人ひとりの個性を育む卓越したリベラルアーツ教育のもとで、誰ひとりとして取り残さないインクルーシブなリーダーシップのあり方を探っていくこと、そして社会正義に深い関心を寄せ、社会変革の牽引者となっていく女性を育てていくことが、これからますます求められていくだろう。

さまざまな分野で力量を発揮している女性リーダー層をロールモデルとしながら学ぶこと、他の機関や組織では十分に達成されているとは言えないユニークな環境の中で育まれることは、今こそ意義があると言える。

この閉塞した日本社会や不安定な世界を救うために、女子大学がそのミッションを、そして堅持してきた核となる価値を、新しい言葉で言語化していかなくてはならない。

(文中一部敬称略)

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