「心は女性」の学生を女子大が受け入れる意味

トランスジェンダーを巡る歴史的経緯とは?

メディアの影響力もあった。

シンポジウムで扱われた課題は、朝日新聞(2017年3月20日)に「『心は女性』女子大入学可能に? 日本女子大、検討へ」という見出しで掲載され反響を呼んだ。

さらに、同紙は同年4月に全国の76女子大学の学長を対象にアンケート調査を行い、トランスジェンダー学生の受け入れについて検討の有無や性的マイノリティの学生支援について問いかけ、64大学から回答を得た(回答率84%)。

このアンケート調査結果が、同年6月19日の朝日新聞に掲載され、出生時は男性とされたが、女性と性自認しているトランスジェンダー学生の受け入れを「5校が検討中、3校が検討予定」であり、さらに「検討するべき課題」と回答した女子大学が41と6割を超えていることも明らかにした。

国内の女子大学の現状を映し出すこのようなアンケート調査が行われたことで、多くの女子大学は本課題を初めて「発見」、あるいは「再認識」し、早晩取り組まなければならない課題であることを知らされた。

お茶の水女子大、その決定の根拠とは

2017年10月7日に京都ノートルダム女子大学で開催された女子大学連盟総会でも、トランスジェンダー学生の受け入れがアジェンダに取り上げられた。日本女子大学が情報交換会の事務局となり、同年12月19日には18女子大学が参集して、本課題の取り組みなどについて話し合った。

また、日本学術会議のLGBTI分科会は公開シンポジウムを計3回開催。その成果として提言「性的マイノリティの権利保障をめざして—婚姻・教育・労働を中心に」(2017年9月29日)をまとめ、その中に女子大学におけるMTFトランスジェンダー学生の「入学保障」も盛り込んだ。

提言の中にはこんな一文がある。

「『文科省通知』にしたがって性自認に即した学校生活を保障されているMTFが、女子校・女子大に進学できないとしたら、それは『学ぶ権利』の侵害になると言えよう。」

これは、今回のお茶の水女子大学の決定の根拠にもなっている考え方だ。

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