20代30代社員が忘れがちな「もう1つの年金」 年金の「基本中の基本」を知っていますか?

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アメリカでは「公的年金」「企業年金」そして「自助努力による蓄え」の3つをThree Legged Stool(3本足のいす)といって老後を支える重要な三本柱としています。

これはわが国でも同じです。それなのにその1つについて何も知らないのでは、老後のライフプランを立てるには不十分です。したがって、自分の会社に企業年金というものがあるのかどうか、そしてあるのなら、その仕組みや受け取れる金額などについて、ちゃんと理解しておく必要があります。

会社に遠慮なく問い合わせ、「老後資金の準備」を

企業年金の種類や自分が加入しているかどうかを知るには、会社の人事部や総務部、企業年金基金といった部署に聞く必要があります。そのうえで、自分が加入している制度が「確定拠出年金」であればこれは簡単です。自分の会社が委託している運営管理機関のWebやコールセンターでいつでも残高確認ができます。

一方、もう1つの「確定給付企業年金」は多くの場合、会社に聞くしか知る方法はありません。昔は、自社の制度やそれによって将来どれくらいの企業年金が受け取れるのかを積極的に社員に開示していない企業が多かったので、なかなか知ることができませんでした。

ところが最近は事情が変わりました。人事や総務に年金や退職金の制度を聞けば、ちゃんと説明したり答えてくれたりするところが増えています。遠慮することなく、自分の将来のためにも、ぜひ会社に積極的に内容を聞いてみることをお勧めします。

それに定年後に働きながら年金をもらう場合、年金の一部が支給停止になる場合があるということは以前にもこのコラムで書いたことがありますが(定年後も年金を減らされずに働き続ける方法)、企業年金は受け取る金額がいくらであっても公的年金が支給停止になることはありません。

「公的年金」「会社の退職金」や、「企業年金」といった基礎になる部分の金額をまずはっきり把握してから、それでも足りない分を自分でカバーするというのが正しい老後資金の準備の仕方ではないかと思います。

大江 英樹 経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表

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おおえ ひでき / Hideki Oe

大手証券会社で25年間にわたって個人の資産運用業務に従事。確定拠出年金ビジネスに携わってきた業界の草分け的存在。日本での導入第1号であるすかいらーくや、トヨタ自動車などの導入にあたりコンサルティングを担当。2003年から大手証券グループの確定拠出年金部長などを務める。独立後は「サラリーマンが退職後、幸せな生活を送れるよう支援する」という信念のもと、経済やおカネの知識を伝える活動を行う。CFP、日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『自分で年金をつくる最高の方法』(日本地域社会研究所)、『知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生』(東洋経済新報社)などがある。

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