20代30代社員が忘れがちな「もう1つの年金」 年金の「基本中の基本」を知っていますか?

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サラリーマンにとって、老後の生活を支える3つの柱は「公的年金」だけではなく、それに加えて「企業年金・退職金」、そして「自分の蓄え(じぶん年金)」ということになります。したがって、自分の蓄えを考える前に、まずは公的年金の金額や退職金・企業年金がいったいどれくらいもらえるのかを知っておくことは重要です。

企業年金にはいくつかの種類がありますが、よく知られているのは「確定拠出年金」です。最近ではiDeCo(個人型)のほうがずっと注目されていますが、実際にはiDeCoの加入者はまだ100万人にも届いていないのに対して企業型の確定拠出年金はすでに650万人ぐらいの加入者がいます。この制度を採用している企業も3万社を超えてきましたので、おそらく読者の中にも企業型の確定拠出年金に加入している人は多いと思います。この制度は自分で自分の年金資産を運用する仕組みですから、運用の中身については無関心であっても、加入しているということはおそらくほとんどの人は理解しているでしょう。

確定給付企業年金を知っていますか?

ところが企業年金にはもう1つ大きな年金制度があります。それが「確定給付企業年金」と呼ばれるものです。

この制度は加入者が最近横ばいになっていますが、それでも約800万人いますから、確定拠出年金よりもたくさんの人が加入しています。

しかし、確定拠出年金とは異なり、こちらは自分が加入している、あるいは自分の勤め先にこういう年金があるということすら知らない人が多いのです。

さらに言えば、老後の生活設計を相談すべきFP(ファイナンシャルプランナー)の中にも、公的年金のことはよく知っていても、企業年金のことはあまり知らないという人がいます。

実は、そういう人が作った、老後に向けてのキャッシュフロー表を見たことがあるのですが、いささか驚きました。どこにも企業年金や退職金のことが載っていないのです。それでいて「これでは老後の資金が不足しますから」といって保険や投資を勧めるというのは本末転倒であり、不適切なアドバイスだと言わざるをえません。

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