「松坂世代」の古木克明が引退後に追う夢 復活を遂げた松坂大輔投手に対して思うこと

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Baseball Surferを立ち上げた際に、いち早くTシャツやパーカーを購入したのは、なんと松坂だという。

古木が1980年生まれはみんな仲が良いと話すように、現役でも、すでに引退していても、同世代に関する情報のチェックを欠かすことはないからだ。それほど長年、切磋琢磨し合い、実力を認め合った唯一無二の存在なのだろう。

この日に着ていたTシャツも自身が運営するアパレル事業のものだった(筆者撮影)

余談ではあるが、2016年の流行語大賞に、広島の鈴木誠也に対して緒方孝市監督が口にした「神ってる」が選ばれたが、その選出に古木だけは、いや、彼だからこその疑問を抱いていた。

「僕の中では松坂大輔が一番“神ってる”し、一番”持ってる”でしょって思うんですよね(笑)。

高校時代は公式戦44戦無敗という圧倒的な記録を作りましたし、甲子園優勝を決めた最後の試合はノーヒットノーランだし。これ、神ってるどころじゃないでしょ(笑)」

それゆえ、松坂がオールスターにファン投票1位で選出されたことは当然だと、古木は話す。

「大輔はそれくらい魅力がある投手。菅野(巨人)もすごいし、彼のピッチングも見たいけど、今年は許してよって思いますね(笑)」

大輔が頑張っているなら俺も頑張る

松坂には、オールスターの舞台で好きに球を放って、とにかく楽しんでほしいと話す古木。球宴、シーズンにかかわらず、松坂が元気にピッチングしている姿を見るのが、古木にとっては一番の楽しみであると同時に、事業に取り組むうえで大きな活力となっている。

「大輔が頑張っている。だったら、俺も」

子どもたちに野球の楽しさを伝えるために「松坂世代」の古木は今日も奮闘する(筆者撮影)

何かを志し、その目標に向けて努力を積み重ねる。

プレーする場は違えど、このスタンスはどこに行っても変わらない。

松坂が現役として夢を見せてくれるのであれば、古木は野球事業に活躍する舞台を移し、新たな夢を追っていく。

「野球の楽しさを伝えるために。そして、“野球が大好き”だと、子どもたちに思ってもらえるように」

その夢を実現するべく、古木の第2のチャレンジは始まったばかりだ。

(文中一部敬称略)

佐藤 主祥 フリーライター

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さとう かずよし / Kazuyoshi Sato

1991年、宮城県生まれ。新聞の専売社員、マスコミ系の専門学校を経て、独立。スポーツや新しい働き方を中心に、取材・執筆活動を続けている。学生時代は卓球部に6年間所属し、団体戦・個人戦で県大会出場を経験。野球を観ながらお酒を飲むことが何よりの喜び。

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