ベルギー代表がW杯でここまで躍進した背景 日本人プレーヤーが語るサッカー環境の現在
国内リーグ所属の選手が1人しかいないベルギー代表はなぜ強いのか?
その秘訣をアンデルレヒトの背番号10を背負い昨季は15得点13アシストと活躍した森岡亮太に聞いた。
「それが理由ですよ。(ベルギーから)海外のリーグへステップアップしていっているじゃないですか。みんなベルギーでやってから海外のビッククラブへ。
その流れがしっかりしているので、そういう選手が出やすいと思いますし、実際にこれだけ多くなると強いです」
物理的にヨーロッパの三大リーグ(ドイツ、イングランド、スペイン)と距離も近いので、若い選手たちもベルギーで活躍してステップアップを図る目標や夢を見やすいということだろう。これが村中氏が話した2つ目の理由(=周辺国へのアクセスが良く、バス移動もできてコンパクトな経営ができる)に当てはまる。
ベルギーにはなぜ公用語が3言語あるのか
3つ目の理由、公用語がフランス語、オランダ語、ドイツ語と3つある点をみていこう。
リーグ最終節で3得点1アシストの結果を出し、チームを1部残留に導いた豊川雄太(KASオイペン)は言語についてこう話す。
「所属チームがある(リエージュ州の)オイペンは、ドイツとの国境に面しておりドイツ語を公用語としています。
ただし、フランス人のマケレレ監督の影響もありチーム内ではミーティングも含めフランス語が使われています」
シント=トロイデンVVでプレーする冨安は「日常会話が英語じゃないんです。フランス語とオランダ語が基本ではあるんで。英語がつねに飛び交っているわけでもないんですよ」
強豪アンデルレヒトの森岡は「チーム内では英語です。いろいろな国籍の選手がいるからだと思います」
お互いに車で1時間ほどで行ける場所で活動している3人の回答が三者三様で興味深い。たくさんの言葉が飛び交うということはいろいろな国のルーツを持つ選手たちがいるということだ。
いろいろな国の選手と毎日の練習などでしのぎを削る経験はワールドカップなどの国際舞台で必ず生きるはずだ。森岡はたくさんの国の選手がチームメートにいることについてこう話した。
「外国人慣れしているベルギーの国民性というか、アフリカ系の選手とか、色んな国の選手がいるので、日本人やアジア人に対する抵抗が少ないです。外国人のひとりという感じです。『アジア人だ!!』みたいな雰囲気が少ないので、そこの入り込みやすさはあると思います。外国人が多いので、普通にみんながコミュニケーションを取っている中に入るという感じです。
これがベルギーの前に所属していたポーランドのクラブになると外国人枠が少ないので、ポーランド人がチームに多いんです。みんなポーランド語でコミュニケーションを取っていて難しさも感じました。ベルギーに来たときに、日本人の入りやすさというのは、すごく感じましたし、ハードルが低いかなと思います」
外国人慣れしているベルギーの国民性が結果的にベルギーをサッカーの強国にした一因だろう。
(文中一部敬称略)
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