ベルギー代表がW杯でここまで躍進した背景

日本人プレーヤーが語るサッカー環境の現在

 冨安選手を獲得した理由を元FC東京のGMで現在はシント=トロイデンVVのCEOを務める立石敬之氏はこう語った。

シント=トロイデンVVでCEOを務める立石敬之氏(筆者撮影)

「1つは東京オリンピック世代で中心になれる、率直に選手のクオリティや将来性です。

それとセンターバックというポジションが日本代表のウィークポイントのひとつでしょうから、吉田麻也や昌子源や植田直通が出てきていますけど、その次の世代を考えると彼を鍛えないと、日本のサッカーの未来はけっこう難しくなってくるだろうと。

そういう意味では世界で通用するセンターバックを早いうちに育てていくということが大事ではないかと考えています」

同様にベルギーは若手の育成を非常に重要視しているようだ。

2018年5月にシント=トロイデンVVに移籍後初出場を果たした冨安健洋(筆者撮影)

「ベルギーに来ていちばん感じているのは、国家ぐるみでサッカーやサッカー以外にも若い人材を育てようとしている点です。

国が小さいですし、おそらく資源も限られているので、若い人材を育てて海外で働かせていくという感覚が強いのかもしれませんね。

それに対して特別なルールというのはたくさんあります。たとえば25歳以下の選手をある一定以上の割合で所属させていると、チームに還付金が返ってくるような若手の活躍の場を広げるルールがあります」

サポートするトレーナーが欧州で活躍する場を提供

選手以外にもセラピスト(日本でいうトレーナー)として元FC東京の栗林史浩氏が加入している。選手の活躍の場をつくることのほかに、セラピストなどの選手をサポートする方々の活躍の場をヨーロッパにつくることは、日本サッカーの強化のためにも必要なことだろう。

立石は栗林に期待していることをこう話した。

「今のトレーナー・メディカルの体制・ドクターの方針など、日本と何が違うのかをよく見ておいてくれよという話はしています。彼が経験する実際のピッチの中でのことや、クラブハウスの中での医療行為や、やり取り、それからトレーナーから見た現場のやり方の違いなど、そういったものを日本サッカーに持ち帰った時に成長する何かの材料になると思います。

セラピストの栗林史浩氏(筆者撮影)

彼らが何を感じて、このクラブを研究材料として、彼らの中に落とし込んでいけるかという部分ですから、日本に帰った時に違いを伝えていってほしい。

もちろん日本が優れているところもたくさんありますが、中にはこちらが優れているところもたくさんあります。しっかり吸収していってほしいです」

今回のワールドカップでのベルギー代表メンバー23人を見てみると、国内リーグに所属しているメンバーはDFレアンデル・デンドンケル(アンデルレヒト)1人のみだ。

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