「4代目ジムニー」に感じた5つの率直な疑問 走りやメカニズムはどれだけ進化したのか

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ジムニーシエラに搭載される1.5リッターのK15B型エンジン(筆者撮影)
疑問4)新機構「ブレーキLSDトラクションコントロール」って何?

新型ジムニーに標準装備された電子制御のブレーキLSDトラクションコントロール。LSDは「リミテッドスリップデフ」といって、カーブを走る際に外側のタイヤと内側のタイヤの回転差を調整する機能なのだが、従来のLSDといったい何が違うのだろうか。

トランスミッション設計担当者に聞いたところ、次のことがわかった。

ブレーキLSDトラクションコントロールは、あくまでも、車両の制御を行うESP(横滑り防止装置)を使って、空転したタイヤの動きを抑えて、接地しているタイヤの駆動力を活かすための電子制御であり、機械式のLSDではない。オプションに機械式LSDの設定があるように、LSDを入れるとさらにESPが作動する限界が上がり、走行性能も上がる。ESPはタイヤの動きを止める方向の制御であり、LSDはクルマの推進力を生み出そうという装置であり、根本的な考え方が違うというのだ。

車体重量が重くなった理由

疑問5)3代目よりも車重増になった理由は?

4代目ジムニーは3代目よりも車体重量が約50kg重くなっている。この理由を、車体設計の担当者に聞いたところ、次のことがわかった。

4代目ジムニーのエンジンは3代目よりも軽くなった。一方で、ラダーフレームの補強は重量増の大きな要因。また、オフロードや高速道路の走行中にハンドルへの振動を和らげるため、ステアリングダンパーを追加。その作動を補助するため出力の大きな電動パワステを導入しており、これも若干の重量増につながった。

このほか、予防安全技術などの新装備による重量増もある。スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」は、単眼カメラと赤外線レーザーレーダーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」をはじめ、誤発進抑制、車線逸脱警報、ふらつき警報、先行車発進お知らせ機能を搭載した。

ただし、乗り心地やハンドリングの改善、さらにエンジンとトランスミッションの改良によって、車重増を感じさせない走りになっていると指摘する。

以上のように、新型ジムニーの走りの良さは確実に上がっている。実際の試乗記は近日中にお届けしたい。

桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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