中古地下鉄車が変身、英「新型気動車」の実力 「低コストで新車同様」、新興メーカーが開発

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

230系は、地方ローカル線での運用のほか、都市部近郊地域での使用も考慮しており、「シティ」「コミューター」「カントリー」という3タイプの仕様が用意されている。「シティ」はロングシート主体で片側4カ所のドアはそのまま活用、トイレは設置せず、主に短距離の通勤用としての位置付けだ。

一方「カントリー」は、中間2つの扉を埋めてドアは片側2カ所だけを使用。埋めた扉の部分には新たに座席を設置し、荷物置き場や多目的トイレなども設け、より長距離での運行を考慮した設計としている。

その両者の中間的な位置付けとなる「コミューター」は、ロングシートとクロスシートを半々で設置、地方都市の通勤輸送にも考慮した設計としている。こうした各仕様は、事業者の用途や好みに応じて、柔軟に変更することが可能だ。

動力源も低コスト化

また、230系は使用する事業者の用途や路線に応じて、車体だけでなく動力方式もディーゼルタイプ、バッテリータイプを造り分けることができ、さらにバッテリーは、現在注目を集めている燃料電池方式を選択することが可能となっている。終点駅に自動給電システムを設置することで、非電化路線でもバッテリー充電を行うことが可能だ。

230系に使用されるバッテリー(提供:Vivarail Ltd.)

ディーゼルもバッテリーも、これらの動力源はすべてモジュール化されており、ディーゼルエンジンを搭載した車両も、のちにバッテリー駆動へ簡単に変更することが可能となっている。さらに、ディーゼルエンジンとバッテリーを組み合わせることで、ハイブリッド車両として使用することも可能で、コストや需要などを考え合わせながら、運行会社が自由に動力源を選択できる柔軟性を備えているのだ。

コストの削減は、中古ボディの再利用のほかにも工夫が凝らされている。この車両のディーゼルエンジン仕様は、エンジンによって発電した電気でモーターを動かす、いわゆる電気式ディーゼル車両であるが、そのエンジンに乗用車用の小型サイズのものを採用、製造コストのみならず、燃費などのランニングコストやメンテナンスコストの削減にも考慮している。

次ページJR東日本出資の鉄道会社も導入決定
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事