中古地下鉄車が変身、英「新型気動車」の実力 「低コストで新車同様」、新興メーカーが開発
イギリス・ウェールズ&ボーダーズ路線の運行権フランチャイズを獲得し、今年10月から同地域の列車運行を担うことになるケオリスアメイ(KeolisAmey)社は6月、ディーゼル・バッテリー駆動の新型車両230系3両編成5本を導入すると発表した。2019年中旬よりチェスター―クルー間やコンウェイ渓谷など、同社の運行区間へ順次投入される予定という。
この新型車両は、英国ヴィヴァレイル(Vivarail)社の製品だ。聞き慣れないメーカー名だが、それもそのはず、同社は3つの基本理念――低コスト・低メンテナンスの車両を生産すること、新たな技術を開発し利用すること、乗客・運行会社・環境そして鉄道業界全体に革新的でスマートなアイデアをもたらすこと――を掲げ、2015年に創業したばかりの新興メーカーだからだ。
地下鉄旧型車がディーゼルに!
230系は、乗客の快適性とサービス・クオリティ向上を目標に掲げ、全座席にコンセント設置、無料Wi-Fi、冷房装置(英国を含む欧州は一年を通じて比較的低温のため、現在も車両によっては必ずしもエアコンが設置されているとは限らない)、自転車積載スペース、車椅子対応トイレなどが装備される。
だが、この230系車両には大きな特徴がある。それは、この車両のボディと台車が、ロンドン地下鉄で35年以上にわたって使用され、廃車となったD78型車両のものを再利用している点だ。内装や動力装置などは新しくなるものの、れっきとした中古車なのだ。
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