「離婚タワマン夫婦」が陥る「住宅ローン地獄」

「とりあえず離婚」だけは絶対にやめよう

ファイナンシャルプランナーのほか、夫婦問題や住宅を専門とする私が、かつて受けた相談に、次のようなものがありました。

「家を建てたものの、妻と趣味が合わなくて耐えられないのです。自分が好きな落ち着いた和風の作りにしたのに、妻は家具をヨーロピアン調にしたんです」と相談者である旦那さんはたいそうご立腹でした。

でも、このような、性格の不一致ならぬ、趣味の不一致は結構あるのではないでしょうか。なぜそんなにも趣味が違うのに結婚したのか、不思議になります(えてして結婚はそういうものだったりするとはいえ)。

また、新築の家をきれいに保ちたいあまり、奥さんが口やかましくなり、家に帰らなくなったご主人が浮気に走るケースもありました。この場合、「新しい家庭には安らぎがない」ということでしょうか。

離婚時の「連帯債務の解消」はかなり難しい

離婚の際、かなりやっかいなのが夫婦で頭金を出し合い、共有名義にしているケースです。

「家のローンの連帯債務者になっているのですが、どうなるのでしょうか」

このような問い合わせが結構あります。最近は奥さんも旦那さんと同じくらい稼いでいることが多いため、夫婦の収入を合算して、高額な都心のタワーマンションや注文住宅を購入するケースも少なくありません。

収入合算で住宅を取得する場合、連帯債務者として奥さんが名前を連ねます。購入時は「収入合算によってお目当ての高額物件が手に入るなら」という気楽な気持ちで連帯債務者になりますが、それなりの責任が生じます。

連帯債務者は「主債務者と連帯して債務を負う人」です。要は借りた人とまったく同じ支払い責任があるのです。

仮に3000万円の住宅ローンを組んだ場合、夫が主たる債務者で妻が連帯債務者だとします。夫にはもちろん3000万円の返済義務がありますが、連帯債務者の妻にも同じく3000万円の返済義務が生じるのです。連帯債務者は最高の信頼関係を持つパートナーということになります。2人で力を合わせて借金を返済していくのですから、夫婦愛がなければ成立しません。

離婚する場合、この「連帯債務者」のパートナー関係は解消できるのか否か。残念ながら、連帯債務を解消することは難しいのです。なぜなら、この契約は夫婦間のものではなく、対金融機関と結んだものだからです。金融機関からすれば、「離婚」しようがおカネを返してくれさえすれば、いいのです。

では、一般的に離婚時の住宅ローンの連帯債務者を解除するには、どのような方法があるでしょうか。

次ページ売却して一括返済するのがベストな選択だが…
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