「見えない財産」に無頓着な人の残念な思考 メルカリが変えた「おカネのルール」
50万円の時計を買った場合、購入者にはどんなメリットがあるか考えてみます。まずは、 50万円もする高級時計を身に着けることで、自信や自尊心が得られたり、周囲からの見られ方が変わったりといったメリットはあるでしょう。
高級時計ならではの機能性を堪能できるというプラス側面も体験できるはずです。これらのメリットは、8万5000円の時計を身に着けるよりも大きいと考えられます。
次に、50万円と8万5000円の時計を購入し、3年間使用した後に売りに出した場合、それぞれがどのくらいの価値になっているか考えてみましょう。
8万5000円の時計を3年間使い、その後売却しようとすると2万5000円でした。次に50万円のほうは、3年経って41万円の価値があったと仮定します。
この場合、8万5000円の時計に対しては実質6万円を支払ったことになり、 50万円の時計には9万円を支払った計算になります。単純な金額ではロレックスの下落額のほうが大きいですが、3万円の差であれば、ロレックスを選ぶ人が多いでしょう。
もちろん価値観にもよりますが、精神的な満足度や機能性などを考慮すれば50万円の時計を買ったほうが大きなリターンが得られたという結論に至る人も少なくないはずです。また一般的に、資産価値が下がりにくいのは高級時計です。
実際にロレックス社は製品自体の供給量をコントロールすることで知られています。そのため、圧倒的に値崩れがしにくく、ときには、3年経った後に値上がりして売却できることすらあると言います。
こういう仮説はいくらでも考えられます。額が大きい買い物をする際には、セカンダリーマーケットの存在を意識しておくほうがいいでしょう。
「モノの価値」ベースで購入する時代へ
セカンダリーマーケットが充実することで、あらゆるモノに値段が付き、資産が可視化されていけば、モノの価値ベースで購買が行われるようになります。
ということは、モノの価値が下がりにくいもの、あるいは上がっていくものにおカネが向かいやすくなると思います。結果として、さらに資産価値を重視した製品がもっと出てくることでしょう。
以前は、新品と中古の価格差が結構ありました。これは売り手と買い手の間に入る業者がそれなりの額の仲介料を取っていたからです。しかし最近では、メルカリやヤフオクなどネットを通じた買い手と売り手の直接取引も増え、価格がかなり透明化されてきました。その結果、売却金額の予測も立てやすくなっています。
この傾向は、時計やバッグなどの小物だけに限りません。たとえば、トヨタのレクサスに5年間乗って、その後売却した場合は買取価格がいくらになるのかシミュレーションすることも可能です。
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