日本は「北朝鮮の金づる」になってはならない 過去の有償支援の精算だって必要だ
たとえば日本は北朝鮮に1995年に有償35万トン、無償15万トンの米援助を行い、2000年には世界食糧計画(WFP)を経由する形で、50万トンの国産米を供出している。
こうした対北援助について河村たかし衆議院議員(当時。現・名古屋市長)が2006年2月13日に提出した質問主意書に対し、政府は「1996年以降」に限定して「国際機関等を通じて北朝鮮に対し無償の人道支援を行ってきた」と答弁。以下に具体例を示した。
答弁書はさらに北朝鮮に対する有償支援については債務不履行の事実を認め、日本政府としては弁済を強く求めているものの、北朝鮮から理由を明らかにされない旨を認めている。
日本側は幾度も督促したが・・・
なお1995年の有償分35万トンは、日朝間に国交がないために食糧庁と朝鮮国際貿易促進委員会との間の契約となり、朝鮮民主主義人民共和国対外経済委員会委員長名の保証が付けられた。しかし日本側が幾度も督促したにもかかわらず、利子も含めて支払われた形跡はない。
そのような状態で一部の政治家の強い押しで決定したのが2000年の50万トンの援助米だが、そもそもWFPが支援として要請していたのが日本以外も含めて19万5000トンにすぎなかった。にもかかわらず、日本が単独でそれをはるかに上回る援助を行ったのは不思議以外の何ものでもない。
そのほかにも北朝鮮に対する援助米には疑惑が付きまとう。
1995年の援助米は価格の安い外国産米で賄われたはずだったが、その一部が国産米にすり替えられ、極秘に日本に戻されて、一部の政治家の資金となったという話が出た。また日本からの援助米について、当時権力を振るった金容淳書記(故人)は1995年8月に「米は畜産にも軽工業にも使えるので多いほうがよい」と発言したとも伝わっている。
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