「年金の繰り下げ」は100%おトクとは言えない

「年の差婚」をした夫婦は特に要注意!

確かに、年金の支給を繰り下げ、年金額が増えるのはかなり魅力です。ただし、「誰にとっても繰り下げがトク」とは言い切れませんから要注意なのです。ケースによっては、繰り下げないほうが良さそうなケースもあるのです。繰り下げ支給は雑誌などでも取り上げられる機会が増えていますが、このことにはあまり触れられていないので、ここでしっかり理解してください。

「加給年金」とは、年金の家族手当のようなもの

ポイントになるのは「加給年金」です。

加給年金とは、言ってみれば年金の家族手当のようなものです。老齢厚生年金の受給が始まったとき、扶養している配偶者や子どもがいる場合に支給されるものです。感覚としては、夫が年金生活になったなら、妻自身に年金が出るまでの間、夫の年金を上乗せしましょう、といった意味合いがあります。

加給年金が支給されるのは、以下の条件をすべて満たす人です。

・厚生年金に20年以上加入した
・65歳未満の配偶者(年収が将来にわたって850万円未満)がいる。または18歳になってから最初の3月31日を迎える前(障害者1級、2級の子は20歳未満)の子どもがいる
・配偶者の厚生年金の加入期間が20年未満

*配偶者の厚生年金の加入期間が20年以上の場合も、配偶者自身が老齢厚生年金を受け取るまでは加給年金が支給される

例をあげてみます。会社員の中嶋宗男さん(仮名)には、5歳年下で、結婚を機に専業主婦になった妻がいます。中嶋さんが65歳になって年金の支給が開始されるとき、妻は60歳で、妻が65歳になるまでの5年間、加給年金が支給されます。

次ページ要注意!繰り下げ支給にすると「加給年金」が受けられない?
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非正規労働者が年末年始の待遇や病気休暇などについて正社員との格差是正を訴え、最高裁は格差は不合理で違法とする判決を出しました。一方で賞与や退職金についての格差是正はほぼ全面的に退ける判決も。非正規労働者の待遇は改善するのでしょうか。

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