親の一方的な価値観の押し付けは時代遅れだ 「厳しすぎる父親」にわかってもらうには?

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ただし父上があなたに求める将来像とあなたが追う将来の夢とが異なる場合、話は別です。親が敷いたレールに乗って嫌々就いた職業または家業だが、今ではそれがよかったと言う人もおられますが、親と折り合わず家出して自分の信じる道で頑張り、幸福な人生を歩んでいる人もいっぱいいます。いずれにしても、その道で努力することが欠かせません。

たとえば勇気様が芸術家志望なのに、父上が医師になる勉強を強要しているとします。その場合はほかの家族や知人からも説得してもらったり、対等な会話が不毛なら手紙などでも自分の思いを伝える努力をし、最終的には誰にも迷惑をかけない力を付けて独立してでも、自分が信じる道で努力するべきです。この種の妥協は遺恨になり、一生の後悔になる場合が多いからです。しかもほかのことでうまくいかない場合でも父親のせいにしてしまう、弱い人間になるリスクがあります。

しかし1つの悪い仮定で、あなたが勉強が大嫌いで、ゲームざんまいだとします。この場合はあなたに分はありません。学生の本分である勉強をしてからゲームをするべきです。この場合は、さまざまな理由をつけて勉強を後回しにするその癖が、親から独立後もあなたが苦労する原因になることを、父上は心配しておられるのだと想像します。

以上のように、厳しさのレベルと内容が不明ですので明言はできませんが、「父親に話しても否定されるだけ」とあきらめて不満をため込むだけでは、双方の不幸が続くだけです。不幸なことに生き方や進路をめぐる親子間の意見の相違は、多くの家庭でよくある話です。しかしながら、子どもが自分の志を貫いたあと、関係が修復した家庭は多いです。あなたなりの一生懸命努力している姿を行動で示しながら、あなたの言い分を少しずつでも認めてもらう努力をするしかありません。

親の愛を忘れてはいけない

あなたがいくら努力しても父上の要求が高すぎてついていけない場合など、問題は単純ではないと思います。高卒と同時に親から離れる人は多いですが、そしてあなたの年齢はわかりませんが、義務教育を終えていれば、そして誰にも迷惑をかけずに自活できるなら、最終的にはあなたの巣立ちの時期を早めるのは、当然の成り行きです。

あなたが親になった暁には、親の価値観の強要や厳しい教育はしないと決意しておられますが、それと責任放棄の放任教育とは別であることは留意なさってください。

何が言いたいかと申しますと、あなたの父上は、あなたをとても愛して育てておられると感じます。その教育法がふるく、間違っておられるだけです。その親の思いとは別にあなたが独立する場合にも、どうかその親の愛を忘れず、別の形ででもいつかはその愛に応えられるよう、幸福な人生を目指してください。そのためには今自分は何をすべきか自己責任で、つねに準備や努力を怠らないようになさってください。

自立への努力や自己責任が伴わず、“将来生活できなくなるリスクがあるのに好きなことだけやっている”という状況であれば、それは自由ではなく甘えです。ただ、自己責任で自立するかぎり、親の世代の価値観をいつまでも押し付けられる生活に甘んじる必要はなく、親の気持ちへの感謝(たとえその表現法が間違っていても)を持ちつつ、自己決定に責任を持ち頑張ることが、いちばん重要なのだと思います。

ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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