いきなり仕事と家庭の両立を狙うのは無理だ 再就職は「長期的視点」で考えるべき

✎ 1〜 ✎ 168 ✎ 169 ✎ 170 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

仕事も、復帰後すぐに自分の理想とする仕事や働きにフルスロットルで取り組めないと失格というわけではないでしょう。人間誰もがそんなに器用ではありませんし、そんな理想論を掲げたところで時間と体力には限界があります。

したがって、自分がやりがいがあると思う仕事の対象や、理想とする働き方をまずは考えておき(=ゴールの設定)、そのうえでまずはそのゴールに向かって現時点でできることから開始する、というスタンスでよいのではないでしょうか。

たとえば昔は営業職でバリバリとやっていたから、復帰後もすぐにそういった仕事を、という考えはわかります。

わかりますが、時間的制約や体力的な制約がある期間は営業事務のような仕事で営業をサポートする仕事をこなし、無理なくできる環境が整えば営業に復帰、という考え方もありでしょう。

ゴールまでの道のりをプロセスで考える

それであれば営業としての経験も生かせる仕事ですし、「準備期間」の間にまさに将来の仕事のための準備と知見を広げることができますから、将来のゴール(この場合は営業)につながりますよね。

そのように、段階的に、ゴールまでの道のりをプロセスで考える、急がば回れ的な発想も大切なのではないかと思うのです。

ですから、まずはゴールにつながる仕事で、無理なくかかわれる仕事は何かを考え、しかるべきチャンスと環境が整ったときにその経験がプラスとなるような仕事から開始されるのがよいでしょう。

ゼロかイチかで考えてはいけません。大切なのはこのゴールへ向けたプロセスであり、将来へつながることをする、という視点です。

山元さんは職業経験を豊富にお持ちですからご理解いただけると思いますが、どんなに仕事ができる人でも、誰しも初めから完璧だったわけではないですよね。そういった人たちも、段階的に、ゴールへの道のりを着実に進んできたからこそ仕事ができる人になれたのだと思います。

育児後の仕事への復帰も同様です。いきなりスーパーマンにはなれませんから、スーパーマンになるための準備が絶対に大切です。

重要なのは、短期ではなく長期にわたってご自身と家族の幸せを求め、維持することですよね。焦らず、ゆっくりとご自身のペースで前に進めば、かならずゴールは達成できます。

山元さんが、ご自身の考える仕事と家庭の関係における幸せの形を具体的な姿に落とし込み、一歩一歩その形へと歩まれるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事