ダイレクト元年到来か!? ネット系保険が新規参入、保険の“ユニクロ”は成功するか

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ダイレクト元年到来か!? ネット系保険が新規参入、保険の“ユニクロ”は成功するか

1998年秋。1枚1900円のフリースが衣料業界に変革をもたらした。SPA(製造小売業)の手法を使い、高品質・安価な商品で、ユニクロが表舞台に登場したのだ。現在のユニクロが苦境に陥っているとしても、新興の急成長会社が普通の会社になっただけのことだ。ユニクロが価格破壊で、新たな市場をこじ開けたことは間違いない。

今、保険業界でも、98年の衣料業界と同じことが起きようとしているのかもしれない。業界でその名を知られた出口治明氏が、満を持して、今年5月にインターネットを主要チャネルとしたライフネット生命の業を開始した。北尾吉孝CEO率いるSBIホールディングスも、ライフネットに先立つ4月、損保であいおい損保と、生保でアクサ生命と組み、ネット系の保険業に乗り出した。

どんなにいいものでも機が熟さなければ…

ライフネット生命の特徴であり、強みでもあるのは、既存の保険会社の資本がいっさい入っていない、独立系ということだ。つまり旧来モデルの因習にとらわれることなく、新しいことができることでもある。両社の特徴は、商品のわかりやすさと低価格。ユニクロが市場に新風を吹き込んだコンセプトと似ている。

日本におけるダイレクト系生保の草分けは、損保ジャパンDIY生命だ。商品のコンセプトはわかりやすさで、商品は1年更新、毎年見直し型の保険のみ。13カ月目の更新率は97%を誇り、FP(フィナンシャル・プランナー)からも高い評価を受けている。保険料もライフネット、SBIアクサが登場するまでは、業界随一の安さだった。

だが、創業10年。今でも業界の中ではあまりぱっとしない存在だ。これには基本的な戦略の間違いがあったと思われる。第一にダイレクトへの進出自体が早すぎたこと。SBIホールディングスの北尾吉孝CEOが「食べ物にも食ごろというものがある」と言うように、どんなにいいものでも、消費者に受け入れられなければ意味がない。

もう一つは、DIY商品の特徴でもある、毎年、見直しという点を強調しすぎた点だろう。基本的に消費者は、特に保険を前にした消費者は怠惰だ。そもそも自分で保険内容を見直すという習慣づけができていなかったのだ。

今年4月に社長に就任した澁谷達雄社長は、過去の反省に立ったうえで、ビジネスモデルを変えることを宣言。これからは新商品も開発していくという。ライフネットやSBIアクサは、競争相手であり、共生相手でもあると迎。ときに協調行動、ときにライバルとして市場を盛り上げていくことになりそうだ。

行動経済学から社会を読み解く監査法人トーマツのパートナー山本御稔氏は、ネット社会が浸透していくにつれ「今後の消費行動が変わり、対面販売は廃れていく」とみる。

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