「モンストグランプリ」がズバ抜けている理由 台湾でのeスポーツ大会は朝6時から行列
やはり勝敗で収入が大きく変わる賞金制のトーナメントよりも、年俸として年契約で契約して活動するリーグ戦のほうがプロとしての活動に安定感が出るのではないでしょうか。その点についても「プロライセンスチームが今回で8チームそろうので、選手とコミュニケーションを取りながら、どういった方向で行くべきかを考えていきたいと思っています」(比奈本氏)とのことです。
モンストグランプリといえば、『モンスト』の派生である『モンストスタジアム』を使ってeスポーツ大会を運営していますが、この『モンストスタジアム』では、『モンスト』と連動していながら、『モンスト』で獲得したキャラクターの使用ができず、『モンストスタジアム』で用意されたキャラクターから選んで戦うことになります。
これはeスポーツとしての公平性をもたらすための判断となるわけですが、ほかのeスポーツタイトルでは、課金やイベントキャラクターの使用を認めているものもあるわけです。
XFLAGとしては課金などによる本来プレーヤーが持つスキルや実力を超えてゲームに影響する要素はできるだけ排除したいとのことでした。単純なキャラクター差だけでも勝敗が付かないように、プレーヤーの実力と戦略性によって勝敗が決するのは、いかにもeスポーツ的と言えるわけです。
IPホルダーによる許諾の有無
eスポーツをスポーツとしてとらえた場合に、平等性とともに重視すべきであるのが、公共性です。eスポーツで扱われるゲームタイトルは、IP(知的所有権)であることから、IPホルダーの許諾などが必要になってきます。ただ、IPホルダーが全権を握ってしまう状態では、公共性があるとは言い難い部分もあります。
たとえば、ゲーム大会を開催しようとする場合に、その大会で使うゲームタイトルのIPホルダーに、許諾をとらなくてはならないのは公共性があるとは言えないわけです。その点についてもXFLAGとしては問題視していないそうです。
「弊社としては大会を開いていただくのはありがたいことですね。許可するしないはこちらには関係ないと思っています。どちらかというと何かしらのサポートができるかもしれないので、連絡していただければ、ご協力したいです」(比奈本氏)
大会運営となると、スポンサーが付いたり、動画配信による広告収入やCheer(投げ銭)などで収入を得る場合もありますが、その場合でも許諾はもちろん、IP使用料などを徴収することはないとのことでした。もちろん、キャラクターを使用したグッズ販売などは、ゲーム大会とは別の版権問題となるので、認められるものではないですが、大会自体を開催できるというのは、スポーツイベントとしてはありがたい方策だと言えます。
ゲーム大会がeスポーツ化することで、参加者の増加や知名度のアップ、賞金額の増額など、参加する選手にとって喜ばしいメリットが多くなる反面、IPホルダーによる許諾の有無や課金問題、プレー時間を費やした人が有利になるという不平等さも散見されるようになりました。
今回話を聞いたXFLAGでは、その点も考慮しており、よいところは以前のまま残し、改善すべき点は改善するという姿勢をとっています。特に選手中心、ファン中心の姿勢は多くが目指すところではないでしょうか。これはeスポーツが今後普及するうえでひとつの指針となりうる事案であり、これがデファクトスタンダードとなることを期待したいところです。
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