「モンストグランプリ」がズバ抜けている理由 台湾でのeスポーツ大会は朝6時から行列

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モンストグランプリといえば、2015年から開催しているイベントで、日本でeスポーツが着目される以前から行われています。最初は『モンスト』のプレーヤー人口を増やすためのいわゆるプロモーション的なものでしたが、eスポーツが注目されている現在では、eスポーツの流れにも貢献できるようにと開催を続けているとのことです。

モンストグランプリを開催した当時では、ゲームは自分でプレーすることが主体で、動画配信を楽しむのは一部のみという状況でした。eスポーツが浸透し始めた今では、ほかの人がプレーしている様子を観戦したり、特定のプレーヤーやチームを応援することがゲームの楽しみのひとつとして定着しています。

XFLAG ENTERTAINMENT 新規事業開発部コンテンツ・マーケティンググループマネージャーの比奈本真氏(筆者撮影)

そのような状況の変化もあり、モンストグランプリも会場の大きさなどの関係から参加者自体の数は変わっていないものの、大会の様子を配信した動画の視聴者数は飛躍的に伸びているといいます。

台湾で行われた「眉飛肆舞」でも多くの観客が訪れ、当日券を求める人は朝6時から並んでいたほどの熱狂ぶりとなっています。昨年行われた『モンスト』のハロウィンイベントのときも会場となった東京WOMBは多くのファンでフロアが埋め尽くされていました。もはや、ゲームをプレーするだけがゲームの存在意義ではなくなったと言えるのではないでしょうか。

プロライセンスの発行

今年のモンストグランプリが例年よりもさらに盛り上がりを見せている理由に、よりeスポーツらしくなったところがあります。例年よりも1000万円上乗せされ、総額が6000万円になった賞金額や、それぞれの地方予選を勝ち抜き、決勝大会に進んだチームがすべてプロJeSUによるライセンスが発行されることになり、eスポーツ然としてきました。

ただ、プロライセンスを発行することにより、プロを目指さずに純粋に『モンスト』を楽しんでいる人にとっては、参加の足かせになる可能性もあるわけです。

初めて『モンスト』のプロライセンスが授受された「闘会議2018」のXFLAGブース(筆者撮影)

「ライセンスがあるからJeSUに協力しているのではなく、JeSUが掲げている理念に同意し、目的を同じくしているのでJeSUに参加しています。プロライセンスの有無によって、以前の大会と変わるということもありません。ただ、本戦に出場することでプロライセンスが発行されることをよしとしない人は少なからずいるかもしれません。ただ、現状としてはそういった報告はなく、プロライセンスを目標にされている人もいると聞いています。今のところはプラスに働いているのではないでしょうか」(比奈本氏)

賞金総額が6000万円に上がり、優勝賞金が3000万円と巨額になったとはいえ、モンストグランプリは4人1チームなので、1人当たりの取り分は750万円です。年収と考えれば悪くない額ですが、1年限り、しかも優勝チーム1チームしか獲得できないとなると、プロとして活動するには心許ないのも事実です。

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