外資系生保・大手4社トップインタビュー--日本市場をどう攻める

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アクサ生命 マーク・ピアソン社長兼CEO
ほかの保険会社との提携は優先度が高くありません

 日本市場はこの数年間は成長していませんが、規模は大きく、未開拓の潜在分野があります。たとえば、退職プランニングや医療保障に関する分野は急速な動きを伴っており、非常にエキサイティングです。

ほかのグローバルプレーヤーが銀行業などに手を伸ばしたこととは対照的に、アクサグループではここ何年もフィナンシャルプロテクション(FP)とアセットマネジメント(AM)をコアビジネスとして事業を行ってきました。

一方で、チャネルはマルチに展開しています。伝統的な商工会議所チャネルをはじめ、アドバイザーや代理店、最近ではSBIアクサ生命など、インターネットチャネルでも販売を行っています。

過去数年間で規制緩和や商品の差別化も徐々に始まりました。損保が医療保険市場に参入し、また銀行窓販もスタートしました。ユニットリンク型商品も出てきています。今後、規制環境はますます変化し、商品の差別化が進んでいくはずです。

商品開発の進展に伴って、アドバイス業務も発展させないといけません。商品内容がますます複雑化する中で、それぞの顧客にぴったりと合う商品を提供していくことが重要なのです。米英では商品のイノベーションがあまりに急速に進展しすぎました。お客様の本当のニーズを把握することと商品をいかに広げていくか、そのバランスが肝要です。

保険会社の資産価値に下げ圧力がかかっていることには要注意ですね。サブプライムの影響が大きいのですが、会社によっては資産より負債が大きい状況が生まれつつあります。とりわけ米国の社債を中心に運用を行ってきた会社は打撃が大きいでしょう。

アクサのコアビジネスはFPとAM。その観点から、世界レベルでさままな銀行や郵便局と積極的にパートナーシップを組んでいます。日本では、三井生命、朝日生命と商品供給や委託を行っており、他の保険会社との提携は、現時点では優先度は高くありません。商品やサービスで提供できないものがある場合、グループ内のアクサカンパニーから協力を得ることを真っ先に考えています。

長期にわたって日本市場にコミットし、リーダー的な保険会社の一つになることがわれわれの目標です。同時に業績や数字だけでなく、顧客と気持ちがつながった会社になりたいとも思ってます。

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