日清も明治もカルビーも…「工場新設」のワケ 2年で投資額倍増、業界に何が起きているのか

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こうした合理化や増産を受けて、食品メーカーの設備投資は活況を呈している。財務省の「法人企業景気予測調査」によれば、食品メーカーの設備投資額(土地を含み、ソフトウェアは含まず)は2015年まで1兆円前後で推移していた。だが2016年から急上昇、2017年には2兆4000億円を突破している。

食品業界に詳しい野村証券の藤原悟史アナリストは「食品・飲料メーカーは1990年代の後半から、国内市場には伸びしろがないと考えていたのか、設備投資には消極的だった」と話す。

投資先送りのツケ

設備投資を絞った分、生産設備の老朽化が進んできており、ここにきて“ツケ”が回ってきている状況だ。労働集約的な生産現場や、物流費がかさみやすい設備配置のままでは、ここ最近の人手不足による労務費の上昇や物流費の高騰の影響を大きく受けてしまう。

また、健康志向や訪日観光客需要を背景に成長している製品は高単価で販売でき、利益率が高い。こうした理由から、このタイミングで設備投資に動く企業が増えている。

もはやラッシュ状態の設備投資だが、藤原アナリストは「ここ1~2年の設備投資は、1件1件が多額になってきている。だが投資額に見合うだけのリターンがあるのか、具体的な説明がない企業も少なくない」とも指摘する。

はたして投じたカネを回収できるだけの収益をたたき出せるか。

石阪 友貴 東洋経済 記者

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いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

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