ガス・水道が止まっても1カ月は生きられる スマートハウスは古い? 最新の家はここまで進化

拡大
縮小
太陽光発電システムの設置面積を拡大

スマート・パワーステーションの特長の一つは、標準的な35坪程度の住宅サイズでも10キロワット以上の太陽光発電システムを搭載できるようにしたことだ。これまでの住宅では、40坪程度でも6.8キロワットまでしか搭載できなかった。

そこで屋根の角度を可能な限り平らに近づけたうえで、庇の部分を延長し、設置可能な面積を拡大。そこにあらかじめ工場で太陽光発電と屋根部材を組み合わせたものを敷き詰めることで大容量の発電ができるようなった。

また、家庭内でどれだけ電力を使っているのかがわかるHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)に、電力消費の大きい空調システムを制御する機能を追加。蓄エネの部分でも、蓄電池の容量を維持したまま、蓄電池のサイズを従来品の6割に小型化して屋内置きを可能にし、従来の屋外置きタイプに比べて1.5倍の耐久性を実現した。

年間24万円の“収入”も

これらの技術を組み合わせることで、余剰電力の売却による収入がエネルギー消費に伴う支出を上回り、年間の光熱費収支は24万円のプラス(収入)になるという。太陽光発電だけを搭載した一般的なソーラー住宅だと年間29万円のマイナス(支出)になるため、差し引き53万円の差額が生じる。20年間の固定価格買い取り制度を活用すれば、両者の差額は1000万円まで広がることになる。

住宅の販売価格は、鉄骨系住宅の標準仕様で坪単価66万円台、木質系住宅の場合は69万円台から。

今回発売する商品は、冷暖房を使用しない春・秋シーズンであれば、エネルギーの自給自足がおおむね可能というレベルだ。積水化学は今後、蓄電池の大容量化や電気自動車との連携、省エネサポート機能の充実などによって、エネルギーの自給自足率を現状の6割から9割まで拡大させたい考え。これにより、エネルギー価格の上昇リスクを低減するとともに、停電など非常時の電力不安ゼロを狙う。

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