トランプ大統領、中国ZTEに罰金13億ドル案 経営陣刷新を求める案も提示
[ワシントン 22日 ロイター] - トランプ米大統領は22日、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)<0763.HK><000063.SZ>に対し最大13億ドルの罰金を科すとともに、経営陣の刷新を求める案を明らかにした。ホワイトハウスで記者団に語った。
トランプ大統領は中国との通商協議について、中国政府とZTEを巡る合意はないと述べた。ただ、ZTEは罰金を支払うと同時に経営陣を刷新し、新たな取締役を任命する必要があるとの考えを示した。
大統領に新たな金銭的制裁を科す権限があるかどうかは不明。
米商務省は4月、北朝鮮とイランに対する禁輸措置にZTEが違反した問題で米国との合意条件にも違反したとして、米企業が同社に部品などを輸出することを禁じる制裁を発動した。
関係筋によると、米国は米企業によるZTEへの製品販売を7年間禁止する措置を解除し、見返りに中国は米国産農産品の関税撤廃か輸入拡大で対応する案が米中協議で提案されている。
トランプ大統領は、この措置で米企業も痛手を受けていると指摘。「米企業に打撃を与えずに、ZTEに大きな代償を払わせることはできる」と述べた。ZTEは措置を受け、ほとんどの生産を停止している。
大統領の発表を受け、米議会では共和、民主両党がZTEに対する制裁を緩和しないよう求めている。
上院民主党トップのシューマー院内総務と上院共和党ナンバー2のコーニン院内幹事を含む上院議員26人は連名でトランプ政権に書簡を送り、「ZTEなど、周到に準備をした上で米国の法令にたびたび違反する企業」への制裁を維持するよう要求した。
上院銀行委員会は、中国の通信企業への制裁を巡り大統領の修正を困難にする措置を賛成23、反対2で可決した。
共和党のルビオ上院議員は、中国が通商協議や北朝鮮の非核化を巡り優位に立っているようだとした上で、「中国は米政権内に合意を切望している人物がいることを知っている」と指摘。また「われわれは拒否権が行使できない議会対応を検討し始めた」とツイッターに投稿した。
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