相鉄「二俣川駅再開発」で得するのは誰なのか 「運転免許試験場の街」が大きく変わる
相鉄グループの二俣川における取り組みのウラには、相鉄グループのビッグプロジェクトである「都心直通プロジェクト」がある。これは相鉄・JR直通線(2019年度開業予定)、相鉄・東急直通線(2022年度開業予定)により東京都心から乗り換えなしでアクセス可能にするというもので、横浜を中心としていた沿線の価値を東京直結で向上させることや新横浜駅へのアクセス向上という狙いがある。
しかしこのプロジェクトには1つ大きな不安要素がある。直通線を西谷駅から分岐させることで、横浜駅周辺エリアへの来訪者が大きく減少するのではないかと懸念されているのだ。元々相鉄グループは横浜駅西口の土地取得から大きく事業を発展してきており、現在も同エリアの大地主だ。そのため、相鉄にとって都心直通は大きなメリットをもたらす反面、大きな課題が生まれるということを表している。
そこで重要になってくるのが、路線の要となっている二俣川の活性化だ。
商業施設集積で選ばれる街へ
相鉄グループでは二俣川駅を「戦略的拠点駅」と位置づけている。その狙いについて相鉄グループの広報は「二俣川駅は相鉄本線といずみ野線が分岐する重要な拠点だが、都心直通プロジェクトにより、ますますその重要性が高まることになる。都心直通によって単に都心への時間距離の短縮を図るだけではなく、商業施設の集積を図ることで住みやすさを向上させ、相鉄線沿線を選び、将来にわたり住んでもらえることを目的としている」と語る。
また、現在約31万人の会員がいるジョイナスポイントカードもうまく利用し、「ジョイナステラス二俣川」で相互利用できるようにした。このことで横浜・二俣川双方の「ジョイナス」をうまく回遊してもらおうという戦略だ。実際に二俣川駅で行っていた事前登録では1カ月で5000人もの登録者がいたといい、これから相互回遊を狙ったキャンペーンなど具体的な取り組みが始まっていくことだろう。
さらに今後の都心直通プロジェクトを考慮すると、都心から直通電車での帰りに立ち寄れる商業施設ができたことは、これからよい方向に影響していきそうだ。
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