相鉄「二俣川駅再開発」で得するのは誰なのか 「運転免許試験場の街」が大きく変わる

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今回増築された二俣川駅。後ろには南口再開発で生まれたマンション「グレーシアタワー二俣川」が見える(筆者撮影)

今回の施設で大きなポイントとしてあげられるのは、横浜駅の商業施設のイメージが強い「ジョイナス」の名前を採用したことだろう。これまで相鉄沿線の商業施設は「相鉄ライフ」と名付けられ、三ツ境、緑園都市など沿線では比較的利用客の多い場所に設けられてきた。二俣川にも駅北口に「二俣川相鉄ライフ」が1992年に開業しており、このたび「ジョイナステラス」と2ブランド体制になった。

そうした中であえて「ジョイナス」の名前を採用した狙いについて、「『ジョイナス』といえば、横浜というターミナルにあるファッションに強いショッピングセンターとして親しまれてきた。そのDNAを今回二俣川に持ち込んだ形になる。ただ、横浜のような大きな施設にしたいというわけではなく、地元に密着した新しい施設にしたいという想いが込められている」(相鉄ビルマネジメント・担当者)という。

大型施設のなかった二俣川

沿線住民にも今回のジョイナステラス開業について話を聞いてみた。だが、「テナントを見た感じでは二俣川周辺に住む人のためという印象だ。瀬谷・三ツ境や緑園都市に住んでいる人は横浜に行く人が多いのではないだろうか。1度くらいは行くかもしれないが、わざわざ普段からの行先を切り替えるほどの決定的なものには欠けている印象だ」とその感想は手厳しい。

しかし、これは相鉄側も織り込み済みだ。「周囲には戸塚やららぽーと横浜、そしてららぽーと海老名があり、当然意識はしているものの、商圏はかぶらないと認識している。まずは二俣川で愛される商業施設にしていきたい」(相鉄ビルマネジメント・担当者)という。

それもそのはず、これまで二俣川はその拠点性に反し、さまざまなニーズに応えられる大きな商業施設がなかった。開業セレモニーでもダレノガレ明美さんが「学生時代に沿線に住んでいたとき、母とよく二俣川に来ていた。その際、あまり大きい施設がなく、いろんな施設を回っていた」と二俣川の従来のイメージを語っていた。

今回のジョイナステラスには、二俣川駅の所在地である旭区で初出店の店舗が多いが、これも従来は目立った商業施設がなかった証左でもある。狭いエリアかもしれないが、「物足りない」という地域のイメージを刷新する効果は大きいだろう。

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