「夫婦間で教育方針が違う」のはむしろ幸運だ 3つのステップで教育環境は改善できる

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【言うことを聞いてくれないパートナーを納得させる3つのステップ】

夫婦間での意見のすれ違いというのは、通常の現象です。違っていて当たり前なのですが、そこに日常のささいな不満の蓄積が背景にあると、子どものトピックが“導火線”となり、爆発することがあります。いきなり子どものテーマでぶつかるということはありえません。蓄積された結果としての現象なのです。

そこで、このようなケースに当てはまっていると思われる場合、次のことをまずは認識してみてください。

「夫婦間で意見が異なっていることは、バランスが取れている証拠で、とても良いことである」

そうなのです。重要なことはバランスであって、意見が同じであることではないのです。意見が同じであってもいいのですが、逆に暴走してしまうこともありますので、一概に意見が同じであることが良いとは言えないのです。

いつも夫婦で同じ方向であった場合、万一、子どもの特性に合わない方向で一致していたらどうでしょう。危ないですよね。三浦さんの場合、ママさんの「枠にはめたくない!」というモチベーションは、実は夫の持つ真逆の性質、キチキチさによってさらに高まっている可能性もあるかもしれません。ですから、夫婦間で意見が異なっているということはバランスを取るという意味でも、実は良い状態であると認識してみてください。

2つ目のステップは、「勇気を持って歩み寄る」です。

次に、パートナーの考えに歩み寄ってみてください。するとパートナーが軟化していきます。これを作用反作用の法則といって、こちらから作用すると、必ず相手は逆向きに同じ力の反作用が生じることを言います。言葉としてはこんな感じです。

「確かにあなたの言うとおりに、もっとしっかりと決めて計画的することも大切よね」とか「その辺のブレないあなたの考えはすごいわ」と言ってみるのです。嫌味で言うのではありません。素直に感心する感じで語ってみてください。これを実行するのは、少しハードルが高いかもしれませんが、これを越えてしまえば解決に向かいます。

パートナーは認められたと感じるので、言動が変化するのです。つまりこちらサイドに歩み寄ってくるのです。これが人間の心理というものなのです。

夫婦で一緒に考え出した第3の方法・あり方

さて最後に仕上げの対応をします。

それは、「何をしてあげることが、この子にとっていちばん良いかな」と言ってみるのです。

これによって軟化したパートナーとの間で、冷静に第3のあり方を考えるようになります。どちらか一方の考えではなく、夫婦で一緒に考え出した第3の方法・あり方ですから、お互いに納得がいき、成功する可能性も高いのです。少なくとも夫婦間のトラブルが子どもを巻き込むことはなくなります。

以上、「『違いは良いこと』という認識」「勇気を持って『歩み寄る』」「『第3のあり方』を話し合う」という3つのステップを踏んでみてください。きっとお子さんにとって最高の家庭環境ができることと思います。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育専門家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4500人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、カフェスタイル勉強会Mama Cafe(累計1万3千人のママさん参加)、執筆、講演を精力的に行う。教育学修士(東京大学)。著書に『子ども手帳』『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』『子どもを育てる7つの原則』など国内30冊、海外13冊。音声配信Voicyでは「子育てランキング1位」の人気パーソナリティを務めている。

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